<広島2-4阪神>◇14日◇金沢

 北陸の風が、桧山には心地よかった。代打の神様が今季初、昨年7月7日中日戦以来となるスタメン出場に燃えた。5番右翼の起用に、1点を追う6回の第3打席でこたえた。二塁打の4番金本を同点のホームに迎え入れる二塁打を、左中間に打ち返した。

 「真っすぐを打ったけど、2打席目までファウルを打っていて調整できた。久しぶりのスタメンでいきなり失策して(先発)下柳さんやチームに迷惑をかけてしまった。少しは取り返せたかな」

 5回まで3安打無失点の広島大竹を痛打した。少しはどころではなく、大きな名誉挽回(ばんかい)だった。2回に梵の右前打を捕球し損ね、一塁走者を三塁まで進めていた。「地方のグラウンドだったし、大事に行き過ぎた」。先制点に結びつくミスを、代打稼業ではめったに立つことがない3打席目で帳消しにした。

 岡田監督は「葛城の調子も落ちていたし、日曜(11日)も右腕が相手なら桧山だった」と明かした。好調な金本と鳥谷をつなぐ5番打者は、チームの数少ないアキレスけんだった。開幕から代打起用。少ない打席ながら好調を維持する桧山が穴を埋めた。フリー打撃では規定の位置より1メートル以上も投手寄りに構え、常に勘を磨いていた。

 クリーンアップで先発したのは06年6月28日までさかのぼる。この日の石川のお隣、富山での広島戦で先発は大竹だった。その試合は3打席凡退で交代していたが、同じ北陸地方で3年越しで結果を残した。

 チームは7年ぶりとなる石川での公式戦。01年も主軸を打っていた桧山は、試合前練習からスタンドの歓声が大きかった。「葛城、立命魂見せろ!」と出身校にちなんだかけ声が飛んだ後、「桧山は“桧山魂”見せろ」とはやされ、笑顔を向けていた。北陸の虎党にとって、桧山はずっと中心選手だ。【町田達彦】