<広島2-5阪神>◇15日◇福井
阪神が魔の木曜日にやっと勝った。今季は開幕から3敗1分けと最悪の相性だったが、プロ17年目の経験が呪縛(じゅばく)を解き放った。
2点を追う7回無死満塁、代打桧山が代わったばかりの広島2番手梅津を打ち崩した。カウント1-3から低めの球をライナーで右翼線へはじき返した。2者が生還。土壇場で同点適時二塁打を放った。「真っすぐかな?
シュートかな?
満塁だったし、とにかく走者をかえそうと思って打席に入りました。みんなでつくってくれたいい流れに乗って、打てましたね」と笑った。
前日14日は今季初めてスタメン出場。5番打者として同点適時打をマークした。この日はベンチスタートだったが、与えられた役割をきっちりこなす。連夜の同点打で逆転勝ちを呼び込んだ。
試合中の三塁側ベンチ裏。出番を待ち、素振りを行うスイングルームはなかった。この日は何と「食堂」でバットを振り込んだ。おにぎり、空揚げ、ソーセージなどが載っているテーブルの傍らで調整した。打撃フォームを映す大鏡もなく、姿見の細長いミラーでチェックした。決して満足とはいえない状況でも、動じない。「今は打席の中で、うまく集中できているね。いい時があれば、悪い時もある。1日1日、いかに切り替えられるかだよ」。揺るぎなき技術が、勝負どころで生きた。
チームは連勝して、貯金を今季最多タイの「14」に戻した。2位中日とも今季最多タイの3・5ゲーム差に拡大。ベテランの活力が、猛虎の底力になっている。【酒井俊作】



