<広島2-5阪神>◇15日◇福井

 打球の行方を確認すると、走りながら何度も右手こぶしを握りしめた。今季初の決勝タイムリー。北陸のファンの歓声を背に一塁にたどり着くと、ベンチを振り返り、ベース上で再び力強くガッツポーズ。リーグ最多得点の赤星が、この日は本来の「出る」仕事に加え「返す」「刺す」でも大活躍した。

 7回、桧山の同点タイムリー二塁打の後、坂、代打藤本が倒れ、2死二、三塁で出番は回ってきた。カウント1ー3から真ん中に甘く入った広島梅津の変化球をレフト前に流すタイムリー。6試合連続安打となる勝ち越し打で三塁走者の鳥谷を迎え入れた。

 赤星

 なかなかあと1点が入らない場面だったからね。嫌な雰囲気もあったけど、皆がつないでくれてたんで、あそこで勝ち越せたのは大きかった。あの回でないとボギーにも勝ちがつかなかったしね。

 6回には、前田の中前打で一塁から三塁を狙った栗原を刺し、3点目を防いだ。そして9回には、カウント2ー2から4球ファウルで粘った末に四球を選び、新井の適時打で勝利を決定づける5点目のホームを踏んだ。出塁率リーグトップの切り込み隊長らしく、07年8月2日のヤクルト戦(甲子園)以来の決勝タイムリーよりも四球で出塁したことを喜んだ。

 赤星

 本当はあれが一番うれしい。粘って出て、新井が返してくれたからね。5点あると、球児も気持ち的に違ってくる。6回のも、その後の攻撃のためにも、(広島の流れを)止めることが大事ですから。

 試合後、バスに向かう道でファンから飛んできたのは「赤星ありがとう」の言葉。北陸のファンも大満足の逆転勝利に、レッドの顔も充実感に満ちあふれていた。【福岡吉央】