<阪神8-5ヤクルト>◇16日◇甲子園
「弱点克服」を高らかに告げる快音だった。3点リードで迎えた4回裏。阪神先頭バルディリスが豪快にバットを振り抜いた。ヤクルト村中の139キロ内角直球をジャストミート。打球は中堅手の頭上を越した。特大の二塁打で口火を切ると、3番新井まで圧巻の5連打だ。これで台頭著しい左腕をノックアウト。「いいスイングをしようと心がけたんだ」。来日初スタメンの新戦力からテンカウントが始まった。
4月までは左腕の先発投手に相性が悪かった。8試合でチーム打率は2割3分。しかし5月に入り、中日小笠原や巨人高橋尚、横浜ウィリアムスを次々と撃破。この日の村中は前回対決で7回1失点に抑えられた相手。苦手意識を消し去るために、バルディリスと桜井を今季初先発させ、2番に関本を起用。「1回神宮でやられているから」と岡田監督は言う。大胆な先発オーダーで攻略に成功した。
「チャンスを与えてくれた監督に感謝をしたい。打つ方も守るほうもベストを尽くすだけ」。バルディリスは慣れない取材に懸命に答えた。左腕攻略の「秘密兵器」として育成枠から1軍にはい上がったが、驚くべき成長度だ。7回には三塁線への打球をダイビングキャッチ。逆シングルからダイレクト送球で打者宮本をアウトにした。「あれはワンバンさせるよりも直接投げたほうがいい」。守備力と地肩の強さをアピール。攻守で期待以上に活躍した。
岡田監督は絶賛の言葉を連発した。「最後も四球を選んでいる。つなげば、上位に回るし、内容的にもいい。守っていても、すごく近く見える」。188センチの大柄な体格もあるが、高い身体能力がさらに大きく見せる。春季キャンプはフォードや今岡のハッスルプレーで盛り上がったが、まさかの展開。新星がレギュラー争いに加わった。【田口真一郎】



