<ソフトバンク3-2日本ハム>◇17日◇福岡ヤフードーム

 日本ハムが、終盤に追い付かれ今季5度目のサヨナラ負けを喫した。苦手のソフトバンク杉内から2点を先制も、先発藤井秀悟投手(31)から建山義紀(32)へ継投した8回に同点とされ、9回には建山の後を継いだ3番手宮本賢(23)が川崎に中越えのサヨナラ打を浴びた。守護神マイケルをケガで欠く投手事情もあり、接戦をものにできず、連勝は3でストップした。

 ほおは、少しだけ赤く染まっていた。梨田監督は努めて冷静に、第一声を絞り出した。「まあね、しょうがない」。終盤に接戦でもつれ、小差のリードを守り切る勝ちパターンだった。9回1死二塁。超前進守備の中堅・森本の頭上を、川崎の打球が越え、連勝が「3」で止まった。サヨナラ-サヨナラ-今季最多16安打の大勝。劇的に3つ積み上げ、もう1つ重ねようとした白星は、まるでオセロのように一転、黒にひっくり返った。

 初めて繰り出した新勝利の方程式が、後味悪く崩壊した。1点差へ追い上げられた8回。直前の7回に失策絡みで失点した藤井が続投した。打席は、2三振の3打数無安打だった松中。この日の相性、左対左だったことからの決断だった。「松中とはタイミングが合っていなかったから」。梨田監督らが判断した采配は結果論だが、後手後手に回った。

 藤井がまさかのストレートの四球。「必殺」が使命だったが、次打者の小久保から予定通り、代役セットアッパーの建山を投入した。だが1死後、連打を浴びて同点。故障離脱のマイケルが健在なら、8回は先頭打者から武田久でもおかしくない場面だった。同点のため9回も建山を続投させて1死二塁のピンチを招き、宮本へ交代。川崎の痛打を浴びた。

 7回には1死一塁から、併殺狙いの陽の軽率にみえる二塁送球の失策絡みで失点するなど、要所、要所で後味が悪かった。梨田監督は「1つのエラーで2点差を1点差にされた」と嘆くほど、流れを渡してしまう痛恨のミスだった。守護神マイケルの故障離脱3試合目で、継投、守備からほころんだ。「役割を果たせなかった。マイケル不在?

 いるメンバーでいかないと。それをどうこう言いたくない」。建山は勝ち気だったが、軽くはない1敗。交流戦開幕まで今日の1試合を残し、空気は重かった。【高山通史】