<ロッテ11-12巨人>◇20日◇千葉マリン

 巨人が大逆転で、08年交流戦のスタートを切った。20日、ロッテ戦で今季最多かつ交流戦新記録となる23安打を放ち、千葉マリンでの連敗を6で止めた。最大6点のビハインドも、3連勝中だった高卒ルーキー唐川に13安打を浴びせて4回2/3で6失点KO。1点を追う8回1死一、三塁では4番アレックス・ラミレス外野手(33)の14号3ランでついに逆転。7番打者までの先発野手がマルチ安打など、両軍37安打の乱打戦を制し、再び3位に浮上した。

 20安打目は最高の一撃だった。1点を追う8回1死一、三塁、ラミレスが初球、外角高めの速球に食らいついた。右翼ポール際に入る逆転3ラン。ベンチ前では原監督が両腕を広げて待っていた。その胸に飛び込み、抱き合って喜んだ。一振りで試合をひっくり返す4番の仕事。チームメートみんなが賛辞を贈った。一塁走者だった小笠原は拍手を送りながら本塁で待ちかまえると、ラミレスの背中をたたいてねぎらった。ネクストバッターズサークルにいた阿部は「そんなの関係ねえ」のポーズで喜びを表現した。

 必死の猛追だった。3回を終わって6点のリードを奪われた。先発が試合をつくれない負けゲームの展開。しかし、そこから追い上げが始まった。5回2死からの3連続適時打で、デビュー戦からの4試合連続先発勝利のプロ野球記録がかかっていた唐川を引きずり降ろした。7回には4連打で2点を奪い同点に追いついた。「6点差をつけられてもコツコツ返せていたし下を向かなかった。ベンチは一丸だったよ」と殊勲打のラミレスは逆転劇の内幕を語った。

 23安打は交流戦の1試合チーム最多安打新記録だ。ビジターでの6点差からの逆転も2年前のヤクルト戦で記録して以来2度目のことだ。猛打爆発での勝利は、開幕前にキャプテン阿部が予言していた勝ち方でもあった。「この打線は当たり出すと分からない。30点くらい取る試合もあるかもよ」と話していた。高橋由や李、二岡らがいないオーダーだが、予言どおり手のつけようがない勝ち方をしてみせた。阿部も「この勝利は大きいよ」とホッとしたように振り返った。

 これまで千葉マリンでは1勝7敗で、しかも6連敗と「鬼門」だった。その呪縛(じゅばく)を解いたのはクリーンアップの存在感だ。この日は3人で11安打6打点とフル稼働した。足を引きずりながら4安打を放った小笠原は「またラミちゃんがやってくれた。4安打?

 勝てばいいんだよ」と笑い飛ばした。阿部も4安打を放ち、相手がラミレスと勝負せざるを得ない状況をつくった。相手投手陣をパニックに陥れた。

 この日はセ・リーグで巨人だけが勝った。「ずっと巨人だけが勝てばいいのにね。4時間もやって、チョ~疲れた。明日もたぶんDH。あ、オガサワラさんかな?

 じゃんけんで決めよう」とラミレスも冗談交じりに喜んだ。漫画のような逆転劇での勝利。原監督も長い物語を読み終えたような表情で「ページをめくると30~40ページあるかも。3番も4番も相手投手の代わりっぱなの初球。メンタルの強さを感じた」とクライマックスシーンを振り返った。巨人にとってはこれ以上ない交流戦のスタート。何かのきっかけになりそうな1勝となった。【竹内智信】