最後まで「抑え」の役割をきっちり果たした。3試合連続セーブを挙げた武田久は、今季初のお立ち台でもマウンド同様、冷静沈着だった。1点差の9回を3者凡退。途中経過で西武が劣勢の試合展開で、首位肉薄について質問するインタビュアーまで完全に抑え込んだ。ほぼ鉄仮面のまま「まだ5月ですし、先が長いので…」。百戦錬磨の鉄腕は、どんな時でも自分も、状況も見失わなかった。

 主導権が行ったり来たりする展開を、完ぺきに締めた。9回1死後から、石井、大西を連続空振り三振。石井には内角やや高め、ボール気味の直球で誘った。「コントロールミス。狙ったところと違うところへいった。結果オーライ」。力があるからこそ、浮き上がるように見える独特の軌道の速球に、バットが反応した。4日間で3連投で「正直、ちょっと体は重い」。まだまだ先を見据え、インタビュアーも、打者も牛耳っていく。