<阪神5-1西武>◇25日◇甲子園

 豪打西武相手の首位決戦は阪神が先勝だ。前日、福岡でヒーローになった赤星が守備のミスを帳消しにする決勝適時打を放った。2試合連続決勝打は初めてという赤星に刺激されて、不振の葛城も代打同点タイムリー。新井、金本も続いて7回は怒とうの一気5得点だ。今季17度目の逆転勝利を決め、貯金は今季最多タイの16となった。秋に日本シリーズで対決するかもしれんし、きょうもビシッとたたくで!

 約束を果たすときが来た。赤星は鬼気迫る表情で打席に向かう。7回裏2死二塁。代打葛城のタイムリーで同点に追いついた直後だ。甲子園にワッショイ・コールが鳴りやまない。どよめきの中でも、集中しきっていた。「絶対に取り返してやろうと思った」。西武小野寺の初球フォーク。ヒットゾーンに甘く入ってきた所を見逃さなかった。打球はセンターに抜けた。これが自身初体験の2試合連続の決勝打だ。一夜明けて、再び大きなガッツポーズが飛び出した。

 「悪い。絶対に取り返すから」。赤星は一塁ベンチで後輩に頭を下げていた。初回に打球をグラブの土手で弾き、今季初失策を記録。6回には再び中島の打球に足を滑らせ、単打を二塁打にしていた。これがG・G・佐藤の先制タイムリーにつながった。

 守備の名手は激しく反省した。「あれで1点入ったようなもの。転んでなかったら、普通に二塁に投げたらアウト。僕さえ守れば、ゼロに抑えていた」。今季初登板の上園をバックアップできない自分がもどかしかった。ベンチで謝り、汚名返上の場を待った。そして好機を逃さなかった。

 今季は31勝のうち、逆転勝ちが17勝で半数を超え、12球団断トツ。交流戦の3勝はいずれも7回以降にひっくり返したものだ。この日の赤星に象徴される「やり返す精神」がその原動力だ。

 同点打を放った葛城も期するものがあった。前夜は最終回の好機に代打に出て三振。22打席連続でノーヒットと苦しんでいた。「それでも監督が出してくれたので、応えたかった。結果が出てよかった」。7回裏2死二塁という場面で、早いカウントから積極的にバットを振った。

 首位対決の初戦を制したのは、大きな価値がある。赤星は言った。「(前カードの)巨人戦を見ていて、すごいスイングをすると思った。守る位置がいつもと違った」。プロが見ても驚く強力打線。それでも野球はパワーだけでは勝てないことを証明した。葛城、赤星の連打の後も、新井、金本が続いた。すべて単打で5得点。「新井と金本さんも打ってくれて、1点差で終わるのとは大きな違いがある」。7回の攻撃はつなぎの野球が“72発西武打線”を圧倒した瞬間でもあった。

 貯金は今季最多タイの「16」となった。岡田監督もチームの底力に自信を深めた。「あの点差なら、逆転しないといけない。よくつながった。9回まで辛抱強くやるつもりだ」。走り続ける猛虎はもう強い獅子でも止められない。【田口真一郎】