<ロッテ1-0広島>◇11日◇千葉マリン
交流戦男には1点あれば十分だった。ロッテ渡辺俊介投手(31)が11日、交流戦通算10勝目を今季初の完封で飾った。千葉マリン独特の風を味方につけて広島打線を散発の3安打に抑えた。5回に西岡剛内野手(23)の適時打で挙げた虎の子の1点を守り切り、自身初の「1-0完封」をやってのけた。日本代表候補のサブマリンの完全復活で、ロッテは3連勝をマークした。
最後の打者を遊ゴロに仕留めた渡辺俊が、この日初めて白い歯をのぞかせた。グラブを2回たたいて里崎とハイタッチし、スコアボードに視線を向けた。1-0。投手にとってはたまらないスコアで、9回を1人で投げ切った。「1-0の完封負けは何度もあった。やられるとムカつくんですよ。でも、1-0で勝ったのは記憶にないですね」。自身初でチームでは00年の黒木以来8年ぶりとなる会心の完封劇だった。
千葉マリン独特の向かい風が、直球を浮き上がらせ、カーブにブレーキをかけた。「今日の風は僕の1番好きな強さと角度。最高に投げやすい環境だった」。見せ場は4回表。味方の失策をきっかけに1死三塁と攻め込まれ、打席には長打のある嶋を迎えた。「絶対に抑える」。制球ミスが命取りになる場面で、高めに浮き上がる直球を4球続けて二飛に打ち取った。この回を無失点で切り抜けると、もうピンチはやって来なかった。散発の3安打で球数は110球。2時間18分で試合を終わらせた。
5月16日のオリックス戦では2回途中8失点でKOされるなどここまでは不本意な内容が続いた。投球フォームへの障害を取り除くため、ストッキングを露出するスタイルに変えベルトも軽量化。試行錯誤を繰り返してようやく本来の姿を取り戻した。
交流戦通算10勝目。世界を相手に大きな武器になる日本代表候補の復調は、星野監督も喜んでいるに違いない。だが「チームが最下位にいるし(五輪は)意識していない」と口元を引き締めた。防御率はまだ4点台。今はただ、チームへの借りを返すことしか考えていない。【広瀬雷太】



