<楽天3-7ヤクルト>◇12日◇Kスタ宮城

 ヤクルト青木のとどめの満塁弾で、チームは野村楽天から交流戦初の同一カード連勝を飾った。3-1の7回1死満塁で、代わってすぐの楽天2番手有銘の初球。内角への逆球を逃さず、右翼席最前列へ運んだ。「本当にうまく打てた。チームが1つになってやっている感じが出ているし、この2勝は本当に大きい」。青木は笑顔で振り返った。

 右脇腹痛で5月に約3週間、戦線離脱していた青木は「チームに迷惑を掛けたので、働かないといけないですからね」と言った。どうしても追加点がほしい場面だっただけに、高田監督も「何とか1点を取りたいと思っていたけど、一気に4点だからね」と、うれしい誤算に笑みもこぼれた。

 5月25、26日の神宮での楽天戦では連敗していた。今カードで、野村監督が当時不在だった青木の髪の色について苦言を呈していたと伝え聞いた。だが、高田監督からは自分の仕事を全うすればいいと言葉をかけてもらった。その配慮にグランドスラムという最高の結果で応えてみせた。

 今季4号は、07年6月17日オリックス戦以来の自身4本目の満塁弾。今年打った3本はいずれも負け試合での1発で「勝ち試合というのもそうだけど、あまりない本塁打だし素直にうれしい」と喜んだ。借金はまだ6あるが、頼れるヒットマンのバットから交流戦好調の野村楽天に連勝し、チームにも勢いが出てきそうだ。【松本俊】