<西武1-8広島>◇14日◇西武ドーム

 高橋まさかの10球降板を長谷川が救った。緊急登板ながら7回1失点、西武ドームでの連敗も7で止めた。同球場での勝利は05年5月27日以来、なんと1114日ぶり。スクランブル発進のロング救援で、強力レオ打線に立ちはだかり今季3勝目を手にした。打線も爆発し17安打8得点。これで交流戦は10勝9敗となった。

 まさかの緊急登板だった。先発高橋が初回、1死一、二塁のピンチを招くと4番ブラゼルに2球目をぶつけて、ブラウン監督がベンチを飛び出した。長谷川もブルペンから駆け寄る。ブラウン監督に抱きかかえられるようにしてマウンドを降りた高橋は、試合前のウオーミングアップで首に違和感を感じたという。「本人が頑張るというから投げさせたが(投球内容が)よくなかった」(ブラウン監督)。

 スクランブル登板は1死満塁のピンチから始まった。「試合直前に準備しておけと言われた。満塁でも焦らずに投げられた」。長谷川にとっては8日のソフトバンク戦で8失点KOされて以来の登板。名誉挽回(ばんかい)へ、42番は腕を思い切り振った。

 いきなりG・G佐藤だ。カウント1-1から3球連続フォークで空振り三振。続く中村もフォークで空振り三振。ピンチを切り抜けると2回以降はスイスイだった。8回までで3者凡退は4度。9三振を奪った。「今日はフォークがいい高さにいった」。8回にソロを浴びるが7回を投げ5安打1失点。KOされた前回からは見違えるような姿だった。

 「前回登板後、気持ちを修正しました。ボールにしなきゃいけないところを低めに投げる」(長谷川)。焦らず、低めに集めた。真っ赤な左翼席から「頑張れ、頑張れ長谷川」と何度も大声援が飛んだ。8回途中で降板。ベンチに戻ると、指揮官は満足そうに長谷川の肩をたたいた。

 打線も爆発したが、指揮官は「長谷川のリリーフは大きかった」と真っ先に42番の名前を挙げた。幸いにも高橋は軽症だ。病院には行かず様子を見る。予期せぬアクシデントだったが、42番の好投はチームに大きな1勝をもたらした。【網孝広】