<西武2-4広島>◇15日◇西武ドーム

 永川、通算100セーブ達成-。広島は15日、西武を4-2で下し今季4度目の3連勝を飾った。守護神永川勝浩投手(27)が9回からマウンドに上がり3人をピシャリ。8連続となる今季11セーブ目はプロ野球史上19人目、球団史上3人目の100セーブ。初セーブは03年3月29日のヤクルト戦(神宮)。足かけ6年で達成した。また、先発ルイスが楽天岩隈と並び両リーグ最速の10勝目を挙げた。

 最後は、永川らしくフォークで空振り三振だった。マウンドに祝福の輪ができる。その中心には6年間で100個のセーブを積み上げてきた背番号20がいた。ナインとハイタッチを終えた後は花束贈呈、ほどなく、ベンチ裏では乾杯が始まり、選手、監督らの笑顔に包まれた。

 悪夢を振り払った。05年5月28日広島●3-4○西武。06年5月31日広島●4-5○西武。07年6月17日広島●4-5○西武。3試合とも、最後のマウンドには永川がいた。永川は西武戦では、この試合までに通算8試合で3敗2セーブ。2セーブは広島市民球場で挙げ、3敗はすべて西武ドームでのサヨナラ負けだった。

 この日は2点リードの9回から登板。「クリーンアップだったけど、マウンドでは何も思わなかった。いつも通り、試合に入れた」。3番中島はフォークで三ゴロ。4番ブラゼルには1球ファウルの後、3球連続フォークで空振り三振。5番G・G佐藤もカウント2-1からフォークで空振り三振。「今日は終わった。次のことを考えないと。通過点?

 そうです」。感傷にひたることもなく、短い言葉で心境を表現した。

 印象に残るセーブは初セーブだという。ルーキーイヤーの03年3月29日。ヤクルト戦でプロ初登板初セーブを挙げた。3-2の9回から登板し3人で抑えた。「あの時は緊張したというか。言われたら行くしかないと思った」と振り返る。プロの第1歩を踏み出した日から数えて1905日目、偉大な先輩たちに肩を並べた。

 昨年は球団新の31セーブを挙げたものの安定感には欠けた。リード、あるいは同点の場面で登板しながら救援に失敗したのは14度だった。今年も春先から調子が上がらず開幕1軍を逃した。この日で8連続となる11セーブ目。防御率は0・83だ。ブラウン監督は「永川は信頼できるクローザー。このような記録達成の日に監督をしていて誇りに思う。次は150セーブをみたいね」と賛辞を送った。「とにかく失敗しないようにしないと」。永川が最後に締めくくった言葉は、強い決意が込められていた。【網孝広】