<ウエスタン・リーグ:中日3-0阪神>◇24日◇鳴尾浜

 投手陣も「AK」がリーグ戦を引っ張る。疲労性腰痛のため2軍調整中だった阪神安藤優也投手(30)が24日、ウエスタン中日戦(鳴尾浜)で復帰登板を果たした。7回から2イニング投げて完全投球。28日の同広島戦(甲子園)に先発後、1軍ローテ復帰となる。中日と9戦、巨人と6戦が控えるシビアな7月は、安藤と金村の2人が鍵を握る。

 ブランクを感じさせない投げっぷりだった。26日ぶりの実戦で、安藤が格の違いを見せつけた。伸びる速球、そして細心の制球。中日2軍打線に、まともなスイングをさせない。7回からマウンドへ。先頭打者へのフォークは、打者の手前でワンバウンド。変化球の制球は定まらなかったが、フルカウントから外角低めにストレートをズバッ。見逃し三振に封じ、3者凡退に仕留めた。

 安藤

 普通に投げられましたからね。何の問題もないです。フォークは手前すぎたね。実戦を踏めば、大丈夫だと思う。(外角低め速球は)基本だからね。順調と言えば、順調です。

 5月29日のロッテ戦(甲子園)を最後に、1軍のマウンドから消えた。疲労性腰痛のため、6月2日に登録抹消。今季の開幕投手を務めた右腕が、2軍でのリハビリを強いられた。

 復帰登板で、回復を十分にアピールした。2イニング目の8回も難なく3人で片づけた。貫禄の2イニング無失点。次回は28日の2軍広島戦(甲子園)に、先発で5回前後投げる予定。その後、7月6日の横浜戦(横浜)で先発マウンドに立つことが濃厚だ。

 28日ヤクルト戦(秋田)から勝負のリーグ戦が再開する。2位中日と6・5ゲーム差。「独走態勢」を築くためにも、先発スタッフの再整備は急務だ。交流戦は上園、下柳、岩田、アッチソンの4人でローテーションを組んだが、交流戦15勝のうち先発が8勝を挙げたのに対して、救援陣は7勝をマーク。JFKを筆頭とするリリーフ陣に負担をかけたのは明らかだ。

 7月には宿敵中日と9試合を戦う。交流戦で好調だった巨人とも6試合組まれている。日程的にも6連戦が2度、9連戦も控えており、シーズンを占う重要な1カ月になる。

 25日には、日本ハムで88勝を挙げた金村暁が今季初めて1軍練習に合流。状態は右肩上がりで、こちらも7月先発デビューが濃厚だ。

 「AK」と言えば新井、金本。その投手バージョンが安藤、金村。「準備はできたと思うので、あとは呼ばれるのを待つだけですね」と意気込む安藤。シビアな7月は投手版「AK」が引っ張っていく。【酒井俊作】