フリーエージェント(FA)制度改革交渉が1年半の交渉の末、一応の決着をみた。NPB(日本プロ野球組織)と労組日本プロ野球選手会(宮本慎也会長=ヤクルト)が25日、都内ホテルで協議交渉委員会を開き、今オフからの取得年数の短縮、補償金の減額などが正式に決定した。一時は交渉が難航し選手会が訴訟も検討したが、宮本選手会長と選手関係委員長の巨人清武英利球団代表(57)を中心とした粘り強い交渉で歩み寄った。球団経営への影響や移籍の活性化の状況などを検証し、2年後に再検討される。
協議交渉委員会は1時間足らずで終了した。宮本選手会長、清武代表が並び会見が行われた。清武代表は「こうして並んで会見するのは04年のスト以来初めてでしょう。あの時ひびの入った信頼関係を修築したというのが大事」と新制度成立の意義を強調した。
昨年3月の西武裏金問題が引き金となって昨年のドラフトから希望入団枠が廃止され、「入り口で希望が通らないなら出口で」とリンクする形でFA短縮問題が本格化。短縮に反発する動きも強く、12球団で意見がまとまらなかった。だが「不毛な対決を避けたい」というNPB側の譲歩があり、またトレード期限延長の受諾など選手会側も譲歩して歩み寄った。
93年に導入されたFA制度は当初、権利取得に10年を要した。それが97年に9年、11年後の今回で原則8年、最短7年になった。宮本会長は「全部が思い通りとは思っていないが、評価できる部分がたくさんあったのでこういう結果になりました」と振り返った。
とりあえずの決着であることは否めない。清武代表は「ドラフト、FA改革に終わりはない」と今後の再検討を明言し、選手会顧問の石渡弁護士は「合意という言い方はできない。事実として新しい制度が暫定的に動きだすということ」と強調した。2年間はこの制度で運用し、2年後の状況などを見て見直すことが確認された。多くの課題を残しながらも、15年の歴史を持つ日本のFAは新たな姿で動きだした。



