<日本ハム7-12西武>◇1日◇札幌ドーム

 セ・パ両リーグ首位攻防第1ラウンドは、首位が2位たたき-。大事な7月初戦、札幌では西武が日本ハムに、いったんは5点リードを逆転されたが、追いついてG・G・佐藤の19号3ランで勝ち越し、キモティ~2ゲーム差とした。

 世界中から集まるVIPもビックリ?

 西武G・G・佐藤が規格外のパワーを見せつけた。1点を追う6回、同点に追いついてなおも2死一、三塁のチャンス。低めの変化球にバランスを崩されたが、ひざを折り、丸太のような二の腕で豪快にすくい上げた。フルスイングできなくても打球は軽々と左翼フェンスを越えた。「届け、洞爺湖サミットへ!」。会心の19号決勝3ランに、おなじみのホームラン談話もさえた。

 先発石井一が2回途中6失点でKOされた嫌なムードを、G・G・佐藤がひと振りで変えた。6月はやや調子を落としていたが、7月最初の試合で大きな仕事をやってのけ「積極的な気持ちでいったのがよかった」と満足げに振り返った。北京五輪では4番を任される可能性もある主砲の復調は、チームにとっても大きい。渡辺監督は「6月はあまりよくなかったけど、月が替わってまたよくなってきたね」と喜んだ。

 G・G・佐藤に負けじと、クリーンアップの残る2人も発奮した。4番ブラゼルは初回に先制2ランを放ってリーグ一番乗りで20号の大台に到達し「とにかくバットの芯に当てることに集中し、何も考えずに楽しんでやることを考えているよ」と気持ちよさそうに汗をぬぐった。6回に左翼線へ同点二塁打を放った3番中島は「内角のスライダーを待っていた」と狙い通りの一打に胸を張った。

 13安打12得点の猛攻で首位攻防3連戦の初戦を制した。日本ハム戦はこれで5連勝。乱闘寸前の騒ぎもあったが、渡辺監督は「まだ先は長いけど、優勝争いする相手に負けたくないという気持ちを持つのはすごく大事なこと」と闘争心あふれる姿勢を評価した。相手が強ければ強いほど、西武打線のスイングは切れ味を増していく。【広瀬雷太】