<楽天1-3ロッテ>◇3日◇Kスタ宮城
無敵のルーキーだ。ロッテ唐川侑己投手(18=成田)が楽天を8回途中まで1失点に抑える力投で4勝目を挙げた。交流戦では4戦連続打ち込まれたが、2軍で調整し直し、パ・リーグ相手に4勝0敗、防御率1・16とした。ロッテの高卒新人の4勝は56年ぶりで、球団最多タイ記録になる。頼もしい10代が最下位に低迷するチームで輝きを増している。
Kスタに響いた「唐川コール」が18歳の胸にじんわりと染み渡った。8回まで毎回走者を出しながらも、丹念にコースをついて7回0/3を1失点の粘りの投球。ヒーローインタビューでは「素直にうれしいです。1勝の重みを負けて知った分、うれしかった」とかみしめるように話した。5月13日の日本ハム戦以来51日ぶり白星で、ロッテの高卒新人では56年ぶりとなる4勝目を挙げた。
自分らしさを取り戻してつかんだ1勝だった。初回、2番中村に高めに浮いたチェンジアップを右翼線ギリギリに運ばれる不運な二塁打を浴びたが、気持ちはぶれなかった。打者勝負に徹して4番フェルナンデスを外角低めのスライダーで空振り三振に仕留めて無失点スタートを切った。4回には1死一塁から、5番山崎武を最も自信のある内角直球を低めに投げて併殺に仕留めた。
衝撃のデビュー戦から3連勝を飾った後、交流戦で調子を落とした。クイックが苦手な弱点をつかれ、走者を出してからかき回されて崩れるパターンが続いた。6月16日に1軍登録抹消。だが、ファームではクイックの習得より直球の精度を上げることに重点を置いた。「負けていた時はランナーにもバッターにも注意がいって中途半端になってしまった。できないことをやっても仕方ないので、割り切って打者1人1人に対することを考えた」。現時点でできる最高のパフォーマンスが復活への近道だった。
そのために体調維持も怠らなかった。高校時代から通っている都内の鍼灸(しんきゅう)師を仙台に呼び、2日に治療してもらった。早大・斎藤も担当している同鍼灸師は唐川の体について「持って生まれたものが他の人とは全然違う。佑ちゃんのような普通の体ではないです。関節全部が軟らかく、周りの人は努力しないとできないことが感覚でパッパとできてしまう」と、潜在能力の高さに驚いている。
万全の体調がマウンド上での落ち着きにもつながり、最後まで崩れない安定感を見せた。これでパ・リーグ相手では無敵の4連勝で、防御率は1・16。バレンタイン監督は「走者を背負った場面でも恐怖心を克服して冷静に対応してくれた。一戦ごとに成長している」と目を細めた。5日に19歳の誕生日を迎えるスーパールーキーが、チームの最下位脱出の原動力になりそうだ。【鳥谷越直子】



