<横浜0-7阪神>◇4日◇横浜

 胸元を襲う内角直球を、思い切り振り抜いた。打球は横浜の夜空に高々と舞い上がる。0-0の4回、阪神矢野輝弘が同学年の先発下柳剛へ贈る先制の2号ソロ。“女房役”として下柳を援護したい一心だった。

 「きょうもシモが頑張ってくれていたし、何とかしたいと思っていた。差し込まれたというか、打球が上がったけど、逆に上がったのがよかったのかな。1点では安心できないけど、先に点を取れたしね」

 5月7日の巨人戦(東京ドーム)以来、約2カ月ぶりのアーチ。そのときも先発のマウンドには、下柳がいた。守っても、抜群の呼吸で巧みなリード。ベテランバッテリーは、7回まで0を並べ、下柳には今季8勝目がついた。

 「シモは最高のピッチングやった。体調が良くて、球も走ってたんで、逆に心配やったよ。試合の中でも自分なりに修正をしてくれた。さすがだよ」

 矢野もさすがだった。7回に右前打を放つと、9回にもレフト前にタイムリー。JFKを休ませるダメ押しの4点目で、試合を決定づけた。そして自らも今季7度目の猛打賞。打率を2割8分まで上昇させた。これで矢野が適時打を放った試合は1つの引き分けをはさみ、24連勝となった。そして本塁打を放った試合も、1分けをはさみ14連勝。矢野の“不敗神話”も終わらない。【福岡吉央】