<横浜7-8阪神>◇6日◇横浜

 悲劇的な逆転負けに、横浜ナインはしばらくベンチを動けなかった。3点リードで迎えた9回、守護神寺原が、まさかの4失点。右翼席からはメガホンやペットボトルが投げ込まれ、ファンの怒号が飛んだ。だが皮肉にも、すぐに阪神ファンの「六甲おろし」にかき消された。

 「あと1球」から転落した。一時は3点を離されたが打線が奮起。8回に3点を勝ち越した。ところが9回2死一塁、関本をフルカウントまで追い込んだが、適時二塁打を許し2点差。新井にも連続の適時二塁打を浴び1点差。さらに4番金本に対し、一塁は空いていた。だが、大矢監督は「寺原はうちのストッパー。迷いがあってはいけないと思い切っていかせた」と勝ち越しの走者を避け、敬遠策は取らなかった。

 これが裏目に出た。左翼席に飛び込む逆転2ランで最悪の結果を招いた。3連敗で、折り返し72試合目にして50敗。シーズンでは55年、大洋時代のリーグ・ワースト記録(99敗)を更新する100敗ペースだ。大矢監督は「後の半分で力を発揮できるよう活性化しないといけない。ずるずる終わるのは嫌なんで」と言った。屈辱の歴史を繰り返すわけにはいかない。【古川真弥】