<楽天0-4ロッテ>◇11日◇Kスタ宮城

 ロッテ史上最強の高卒ルーキーだ。唐川侑己投手(19=成田)が降板した8回1死まで楽天打線に得点を与えず5勝目を挙げ、球団の高卒新人では単独最多となった。指の血マメもあって高卒新人では20年ぶりとなる無四球完封こそ逃したが、カーブを主体に抜群の制球を見せた。4勝目をマークした前回3日の楽天戦で「あの程度の投手」と評された野村監督に、もう一泡ふかせた。チームもオリックスを抜いて最下位を脱出した。

 ロッテ・バレンタイン監督が非情の采配を下した。1-0で迎えた8回裏1死一塁。同点の走者を許した時点で、先発唐川をスッパリとあきらめた。高卒ルーキーでは88年野村(大洋)以来20年ぶりとなる無四球完封まで、あとアウト5個だった。

 バレンタイン監督は「指に小さい血マメができていたし、あの回の先頭2人がいい当たりを飛ばしていた。草野が前の打席でヒットを打っていたこともある」と振り返った。チームの勝利と黄金ルーキーを酷使しないための最善策だった。唐川は「まだ余力はあったけど、調子や疲れを見ての判断なので」と納得してマウンドを譲った。この状況を2番手川崎が無失点で切り抜け、9回はストッパー荻野が締め完封リレー。唐川は球団新記録となる高卒新人5勝目を手にした。

 お立ち台では「そんなに状態は良くなかったけど、里崎さんのリードや守りに助けられました」と殊勝なコメントを口にした。2週続けて楽天から白星を挙げた。前回登板の3日は直球主体の配球で8回途中まで1失点に抑えた。今回は直球のキレがなかったため、制球力のあるカーブでカウントを整えたり、決め球にしたりと自在に操り、三塁を踏ませぬ技を見せた。里崎捕手も「19歳でも自分の持ち球を理解し、いろいろ考えながらまとめることができる」と高く評価した。

 楽天野村監督から前回対戦後に「あの程度の投手」と辛口評価された。返す刀で切って取ったが、唐川は「またあの程度って言われますよ」と、笑顔でかわす余裕すら見せた。新人王争いにも名を連ねる大型ルーキーが、チームを最下位脱出へと導いた。【鳥谷越直子】