<日本ハム1-10ソフトバンク>◇13日◇札幌ドーム

 鷹キラーは、淡々と頭を下げた。日本ハム武田勝がつむいできた「不敗神話」が終わりを告げた。8回2失点の力投も、ソフトバンク相手にプロ初黒星。プロ3年目から12戦目、同一カードの連勝は「6」で止まった。「いつかは来ることなんで。ちょっと楽になりました」。マウンドを降りても、あくまでクールな振る舞いだった。

 今季最多106球の力投。わずか2球に泣いた。4回2死一塁。今季ノーアーチの伏兵・荒金に左翼席へと運ばれた。3球連続の変化球攻めでカウント2-1。続く4球目、内角高めへの直球で、決めにいった。見逃し三振かと、思われたが判定はボール。梨田監督も「きちっと(ストライクと)とってほしいよね」とチクリと刺すほど、きわどかった。

 その直後、同じ直球を続け、真ん中に甘く入った。痛恨の決勝2ランを献上。8回には志願の続投で試合をつくったが、最終9回に中継ぎ陣の乱調で一挙8失点。武田勝は「判定?

 それは(和田と)お互いなので。自分が厳しい球を続けられずに、ホームランにつながってしまった」と責めた。ソフトバンク戦3連勝を狙っての得意の接戦だったが、打線の援護もなく自身2連敗。勝負どころでのたった1球の失投で、勝利の女神がそっぽを向いた。

 復帰3戦目で、内容的には最高の出来。「ケガをする前よりも良かったかもしれない」。ソフトバンクへ心理的に与えたダメージだけは、いつもと変わらなかった。【高山通史】