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岩隈7回105球3安打0封で13勝

お立ち台で、水をかけられる中島(右)の横で笑顔がはじける岩隈(左)
お立ち台で、水をかけられる中島(右)の横で笑顔がはじける岩隈(左)

<楽天4-1ソフトバンク>◇20日◇Kスタ宮城

 笑顔を消したエースに、気迫がみなぎった。7回、四球と失策で迎えたピンチ。それでも楽天岩隈久志投手(27)の表情は少しも変わらなかった。高谷を簡単に中飛に打ち取った後、本多を追い込むとフォークで切り捨てた。「よっしゃー!」。声を張り上げマウンドを駆け降りた。試合中で笑みを絶やさない男が、この日は厳しい表情で投げ続けた。7回を3安打無失点に抑えた105球に、わずかなすきも見せなかった。

 全力で飛ばした。ここ2試合は調子はまずまずだったが、制球の乱れから失点を重ねた。この日も四死球は4つ。それでも伸びのある直球で詰まらせ、切れ味鋭いスライダー、フォークで空を切らせた。「今日はどうしても勝ちたかった。飛ばしたので7回でも結構疲れましたよ」。責任を果たすと、達成感と疲労でベンチに身をゆだねた。

 失意を越えた先に本来の姿があった。1月の自主トレ時から目標に掲げていた代表入り。だが17日に発表されたメンバーの中に名前はなかった。直後は苦笑いする余裕があったが、時間がたつごとに悔しさがこみ上げた。険しい表情に周囲もかける言葉に悩んだ。それでも先発マウンドが近づくと自然と気合が入った。「もう大丈夫ですよ。切り替えは早い方ですから。(来年3月の)WBCもありますからね」。ジャパンへの思いはひとまず心に収め、チームの大黒柱としての仕事に集中した。

 エースの好投で本拠地の連敗は7でストップ。最下位転落も免れた。野村監督も「よく踏ん張ってくれた。今のパ・リーグはID時代。岩隈、ダルビッシュ」と日本代表のエースと並べる、最大級の賛辞を贈った。田中のいない8月には岩隈にかかる期待と負担も倍増する。それでも「田中も抜けた分、全部勝つつもりでやります」とサラリと答えた。失意の末につかんだ勝利を振り返るうちに、自然と笑顔が戻っていた。【小松正明】

 [2008年7月21日8時33分 紙面から]


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