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巨人鶴岡が移籍1号2ラン

4回表巨人2死一塁、鶴岡は2点本塁打を放つ(撮影・宮崎幸一)
4回表巨人2死一塁、鶴岡は2点本塁打を放つ(撮影・宮崎幸一)

<阪神1-3巨人>◇21日◇甲子園

 巨人が阪神のマジック点灯を阻止した。21日、甲子園での直接対決第1ラウンド。先月、横浜から交換トレードで移籍した鶴岡一成捕手(31)が、1点リードの4回に移籍第1号2ランを放ち、突き放した。来月、北京五輪期間中で日本代表メンバー阿部慎之助捕手(29)の代役候補。先発木佐貫洋投手(28)を7回途中まで6安打1失点と好リードし、攻守に光った。

 小さくて、素朴な語り口だった。でも、堂々とヒーローインタビューを受けた。鶴岡には心の奥にしまっている、大切にしている言葉がある。支えがあってここにいる。だから胸を張って「巨人鶴岡」初めてのインタビューを受けた。

 巨人へのトレードが決まった6月10日。すぐ携帯電話を握った。声の主は元横浜監督の牛島和彦氏。堅実なリードと意外性のある打撃、誠実な性格を見抜き、1軍の舞台に引き上げてくれた。在任中の2年間、よく起用してくれた恩人だった。

 横浜に愛着がないといえばうそだった。だが気さくな語り口で牛島氏はこう話してくれた。「よかったじゃないか。チャンスをもらえたと思えば。ツルらしさを大切にして、巨人で暴れてこいよ」。牛島氏も中日からロッテにトレード移籍した過去があった。「吹っ切れました」。新天地で働く勇気をもらった。友人から「やせたねぇ」と指摘されたが体重計に乗らなかった。心労はあったが、弱音を吐かないことに決めた。

 1カ月半が過ぎ、負けたら阪神の優勝マジック点灯、という試合を任されていた。気後れはない。でっかい仕事をしてのけた。

 木佐貫の直球が走っていることは、ブルペンで確認済みだった。前回KOの右腕を力強く引っ張った。外角低め直球を軸に、同じ高さから落とすフォークを丹念に要求した。阿部にマスクを譲るまで、8イニングを1失点。連日資料を持ち帰り、把握に努めた成果だった。「木佐貫、山口、豊田さんに助けられた。引っ張っていけるよう、頑張る」と控えめだった。「まだまだ時間が必要。良さを引き出す、洞察が必要だから」。苦労人は知っている。

 輪に入りたい。移籍1号も、そんな必死な思いが生んだ。4回の第2打席。阪神岩田の直球を引っ張った。主導権を握る2ラン。「篠塚コーチに『思い切り前で打ってこい』と言われていた。気持ちいいですね」。幼いころ大ファンで、打撃フォームをまねた。あこがれの大先輩からの教えを実践でき格別だった。

 仲間に加えた原監督もうれしそうだ。「大きい一打だった。木佐貫のいいところも、引き出してくれた。阿部のいる間にチームを把握してほしい」。星野ジャパン入りした正捕手が、あと10日でチームを抜ける。だが巨人には泥くさい鶴岡がいる。兵庫の神港学園出身。「地元? どの球場でも活躍したい。信頼関係を築きたい」。穴を感じさせるつもりなどない。虎に食らいつく。【宮下敬至】

 [2008年7月22日9時20分 紙面から]


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