<ソフトバンク8-6オリックス>◇21日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク川崎宗則内野手(27)が21日、オリックス戦(福岡ヤフードーム)で球団の月間記録に王手となる7月6度目の猛打賞をマークした。さらには今季2度目の2盗塁、5回には内野安打で二塁から生還する足技を披露した。7回には中継プレーで走者を本塁アウト。走攻守でフル回転し、4連敗中だった天敵小松を砕いた。3日間限定の黄色いユニホームを着る「鷹の祭典」は昨年から4連勝だ。

 3本目の安打を右前に運んだ5回に、川崎の攻撃スタイルが凝縮された。打者松中の4球目にこの日2度目の二盗を決めて揺さぶると、小久保の内野安打で本塁を狙った。「カブレラの体勢が崩れていたので」。一塁送球がずれたのは三塁を回って横目で確認。慌てたカブレラが本塁へ送球したが、楽々と6点目のホームを手にした。「あれが森脇さん(内野守備走塁コーチ)とキャンプからやってきたこと」。0・1秒短縮。今季のチームテーマを体現するプレーに、王監督も「最終的にはあれが大きかった」と大きくうなずいた。

 小松には過去4戦4敗。チーム打率1割7分5厘に抑え込まれていたが、川崎の猛打賞で5回KOに成功した。7月6回目の猛打賞は56年8月に南海杉山が記録した7回の球団記録に1と迫る。イチローらの日本記録8回も残り7試合で不可能ではない。「塁に出ないと走塁はできんもんね。でも打撃は水物。たまたま」。軽く流したが、初回も強くたたきつけた遊ゴロを内野安打にした。守備に就く際にもなんば走りを取り入れるなど、普段の走力アップの意識が打撃を支える。

 7月の打率は4割2分3厘。今のペースなら月間43安打になる計算だ。川崎は「僕が北京に行ってもこのチームは強いし心配していない」と笑ったが、北京五輪代表としてチームを離れるまでに驚異的なペースで“置きみやげ”を残すつもりだ。好調な打撃は守備にも好リズムを与え、7回に一輝に左翼線へ長打を許したが、松中との連係で小瀬を本塁で刺してみせた。

 黄色い3日間限定のユニホームを着用する「鷹の祭典」の初日を制し、昨年から同企画は4連勝。来場者も球場内のカーネルサンダース人形も身にまとい、黄色く染まったスタンドから黄色い声援を一身に浴びた。「夏休みで子どもたちもたくさん来ている。子どもたちに最高の、夢のあるプレーを見せたい」。お立ち台でファンの心をつかんだ川崎のプレーは北京へと通じる。【押谷謙爾】