日本ハムが、北京五輪の金メダル祈願の大規模な「壮行会」を行うことが21日、分かった。稲葉篤紀外野手(35)ダルビッシュ有投手(21)が代表に選出。五輪前の札幌ドームで最終試合になる27日西武戦の試合前セレモニーで、集客予想では4万人前後のファンから激励してもらい、2人が決意表明などをする予定で調整を進めている。星野ジャパンの主力2人にとって、これ以上ない力になりそうだ。

 8万の温かい瞳に見つめられ、4番とエースが旅立ちの日を演出してもらうことになった。8月から、日の丸のユニホームに袖を通す稲葉とダルビッシュのために、盛大すぎるほどの「壮行会」が開かれることになった。日曜日で満員、4万近い観衆が見込まれている西武戦。その本拠地では離脱前の最後になる試合前の時間を利用し、アットホームなセレモニーを開くことを決めた。

 星野ジャパンの主力を担うことが濃厚な2人には、心強い出陣式になりそうだ。球団関係者は「詳細は今、詰めているところ。いい形で送り出せれば」と説明。内容は今後、急ピッチで決定するが、マイクを通じた肉声で、ファンへの決意表明などが行われることになりそう。悲願の金メダルどりへの思い、または苦渋の思いで、勝負の夏場にチームを離れてしまう本音なども直接、届けられる格好の場になる。

 06年のワールド・ベースボール・クラシックの際には、巨人小笠原が選ばれたが、開幕前で同様の舞台を用意することができなかった。チームにとって戦力ダウンは痛いが、北京五輪がシーズン中であるため、実現できることになった。

 2人は29日のソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)を最後に、球宴に参加後、日本代表の強化合宿へ合流。そのソフトバンク戦には、藤井球団社長ら球団幹部も敵地へと駆けつけ、球団内の内輪でのセレモニーも行う予定。稲葉とダルビッシュへ、日本中が願う金メダルへの思いを託す。【高山通史】