<阪神7-4巨人>◇22日◇甲子園

 満面の笑みだ。一塁ベース上で3度ガッツポーズ。阪神高橋光信内野手(33)が、劣勢の試合を振り出しに戻した。1点を追う5回1死一、二塁。巨人内海の119キロチェンジアップを左前へ。同点の4点目をたたき出し、後続の逆転劇を呼び込んだ。

 「う~ん、覚えてない。気持ちですね。絶対何とかしてやろうと思って、たまたま結果が出た」

 反撃の口火を切ったのも“ミツさん”だ。4点を追う4回。無死一塁から右前打を放つ。右翼清水が打球を後逸する間に、一走関本がホームイン。自身も二塁に進み、この回3得点の土台を作った。今季初で07年8月31日ヤクルト戦(甲子園)以来、326日ぶりのマルチ安打。中盤の猛攻撃の中、助演男優賞ばりの活躍だ。マジック点灯にしっかり貢献した。

 5月25日に1軍昇格。夜、自宅の食卓には、普段と変わらないメニューが並んだ。春菜夫人も飾らない。「おめでとう」。その一言だけで十分だった。「『頑張って』とは言わないんだよ。ずっと頑張っている。そんな自分の気持ちを分かってくれている。ずっと一緒にいるからね」。33歳。肉体にムチを打ち、毎夜戦場に向かう。見守り続けてくれる夫人へ感謝の気持ちを体で表現する。

 これで4試合連続打点。内訳は7打数5安打、打率7割1分4厘の5打点。代打で、スタメンで、大暴れを続けている。与えられた役割で結果を出す。こんな脇役もいるから、猛虎は強い。【佐井陽介】