<阪神0-5巨人>◇23日◇甲子園

 巨人は優勝マジックが点灯した阪神に、完封リレーで3連戦を2勝1敗と勝ち越した。6回1死満塁のチャンスで、3番小笠原道大内野手(34)が先制2点二塁打を放った。22日の試合では2失策を犯し、虎のマジック点灯をアシストしてしまったが、バットでお返しした。先発セス・グライシンガー投手(32)が2年連続の10勝目。首位阪神とは10・5ゲーム差あるが、最後まであきらめずに追撃する。

 前夜、敗因を一身に背負った小笠原が勝利を引き寄せた。6回1死満塁のチャンスに打席に立った。ボーグルソンの速球に食らいつく。5球目、内角低め147キロの速球をついにとらえた。一塁線を破る先制2点適時二塁打。「集中してました。なんとかえそうと思って」と息を弾ませた。

 悔しい思いを背負っての試合だった。前夜は自らの2失策が敗戦につながった。言い訳することなく「自分の責任で負けた」。借りは絶対に返す-。その思いがあればこそだった。そして熱い気持ちのまま、この日の決勝打を放った。原監督も「ああいうコメントを出せるのが、今日につながる。彼の強さですね」と評価した。

 入念に準備をした。気温30度を超える暑さへの対策も抜かりなかった。アップも試合前のベンチに出てくるのも一番乗りし、直射日光に体をさらした。「暑さに慣れないといけないからね」。後悔をしないよう、やれる準備はすべてやるつもりだった。同じミスを繰り返さないよう試合前練習の際、福王内野守備コーチからいつもと打球の角度を変えてノックを受けた。6回2死一、二塁、金本の痛烈ゴロを難なくさばいた。

 バットで守備の借りを返した。だが「悔しさを取り返せたか」の問いには「全然足りないでしょ」と言い切った。それほど前夜の2失策は悔しかった。「今季一番の悔しさ?

 比べようがないけど、もう2度としないということ。切り替えること。少しは貢献できたと思う」。足りない分はこれからどんどん取り返していく。

 原監督は阪神3連戦に勝ち越し、「今季初めてですね。大事な試合が続く。しっかり戦っていきたい」と前を見据えた。阪神に優勝マジックが点灯したからといって、優勝が決まったわけではない。小笠原は「しつこいようだけど相手どうこうじゃなく、1試合、1試合やっていくだけ」と鋭い眼光のまま帰りのバスに乗り込んだ。【竹内智信】