<日本ハム2-1西武>◇25日◇札幌ドーム

 日本ハム多田野数人投手(28)が、マウンドに仁王立ちした。ダルビッシュの力投で黒星という、前夜の嫌なムードを忘れさせるような快投。「みんな口には出しませんでしたけれど、それがこういう結果になったと思う」。攻守に総力戦、1点差でもぎ取った接戦白星。その中心に、力強さを増した新人がいた。

 微妙に手元で動く140キロ前後の速球を軸に、小さな変化のスライダー、フォークでバットの芯を外していく。6回に中島に右翼フェンス直撃の同点二塁打を浴びたが、7回を3安打1失点。強力中軸3人には、その中島の1安打しか許さなかった。わずか91球、攻撃のリズムもつくった。初顔合わせの首位相手に、完ぺきなゲームメークだった。

 北海道内の主催試合では6戦負けなしの5連勝。両リーグ新人トップの6個目の白星を積み上げた。梨田監督が「ほぼ完ぺき。速さを感じさせたりして、(打者は)距離がとれなかった」と絶賛する働きだった。

 西武後藤は同じ「松坂世代」で、東京6大学では立大のエースと法大の主砲としてしのぎを削った仲。「あの時のイメージと違った。全然、何(の球種)を投げているか分からなかった」と舌を巻いた。前回19日オリックス戦は5回2/3、5失点。降板直後には悔しさのあまり、ロッカー室で取り乱し、暴れた。しかし汚名返上してみせるメンタルの強さを見せた。夏反攻の息吹を吹き込んだ。【高山通史】