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武一振りサヨナラ両リーグでMVP/球宴

代打山崎武(上中央)はサヨナラ打を放ち小久保(同右)らの祝福を受ける
代打山崎武(上中央)はサヨナラ打を放ち小久保(同右)らの祝福を受ける

<オールスター:全パ5-4全セ>◇第1戦◇31日◇京セラドーム大阪

 北京五輪組に注目が集まる中、オールスターに「アラフォーパワー」が吹き荒れた。11月に40歳になる楽天山崎武司内野手(39)が全パにサヨナラ勝ちをもたらした。同点に追いついた9回裏1死一、二塁から代打で登場。阪神久保田から右越えのサヨナラ打を放ち、史上4人目となる両リーグMVPをゲット。通算成績は全パの74勝67敗8分けとなった。

 手に残った感触だけで、すでに笑いが止まらなかった。打球が前進守備の外野をはるかに越えると、山崎武は早々と両手を高く上げた。「MVPがチラチラしてたからね。感触? 楽勝! いただきま~す、だったよ」。たったひと振りで300万。サヨナラの瞬間を振り返ると、豪快に笑い飛ばした。

 土壇場まで汗ひとつかいていなかった。9回のチャンスでようやくケースからバットを取り出した。「梨田監督に森本のところで行くぞと言われてからだよ。それまでスパイクも履いてないし、素振りもしてない。ベンチでふんぞり返ってガムをかんでたよ」と照れ笑いした。出場予定のない第1戦で突然の代打。それでも一瞬で勝負勘を呼び起こした。「あれだけ松中にフォークをいってたからね。初球の真っすぐだけ振り遅れないようにと。反対方向を狙ってたよ」。出合い頭に見えたサヨナラ打も、完ぺきに読み勝ちだった。

 今年40歳を迎える大ベテラン。球宴にはさまざまな思いが交錯する。入団2年目の88年は、裏方捕手としてオールスターに参加した。「緊張で捕るのもままならなかったよ。当時は巨人ブランドがすごかったから中畑清だ~、原辰徳だ~って騒いでた。ここに出るのが夢と思って、やっと10年目に出られたよ」と若かりし日に思いを巡らせた。今年でプロ22年目。参加する選手の違いも肌で感じた。「昔はベテランの人がドーンと座って若い人がびびってたよ。今はフラットな感じ。時代なんだろうなあ。そう思っちゃう自分がいる。年取ったせいかな」と苦笑いした。それでも表彰台では同い年の金本と仲良く並んだ。「どんどん同年代がいなくなるからね。傷をなめ合うこともあるよ」。年齢と闘う同志と夢舞台を沸かせたことが何よりうれしかった。

 中日時代の00年以来となるMVPは、史上4人目となる両リーグ受賞。賞金の使い道は「家で(家族が)見てるから自分で使えないだろうね。でもせっかくだから、記念にマツダのミニカーでも買うか」と舌を出した。「明日は長男も見に来るからね。最高の前祝いができたし、また頑張るよ。後半戦にいい形で入れたらいいね」。第2戦で再び快音を響かせれば、巻き返しを狙う山崎武の助走はフルスロットルに入る。【小松正明】

 [2008年8月1日8時49分 紙面から]


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