<ウエスタン・リーグ:阪神8-3広島>◇8日◇由宇

 林が復活だ~ん!

 阪神林威助外野手(29)が8日、ウエスタン広島戦(由宇)に「4番右翼」で先発し、3打数3安打1打点と大暴れした。左ひざ故障から実戦復帰2試合目で右翼守備も解禁。315日ぶりの本塁打も放ち、1軍復帰は秒読み段階に入った。

 山々に囲まれた、のどかな球場。グラウンドに立つ選手の中で、明らかに1人だけ格が違った。いとも簡単に、右翼席にライナーを突き刺す。林が復活を印象づける1発を放った。

 「風も良かったし、詰まったけど(手の)押し込みが良かったですね」。

 2回無死。2ボールから広島の右腕今井を打ち砕いた。139キロの高め直球を強引に振り抜き、先制の右越えソロをたたき込んだ。昨年9月28日の中日戦(甲子園)以来、実に315日ぶりの1発だった。

 4回は1死一塁から低めの難しい直球に対応し、一、二塁間を抜いた。さらに5回2死の場面では、高めのカーブを中前打。ここで予定通り代走を送られた。直球、変化球に反応し、3打数3安打1打点、1得点。試運転として、文句のつけようがない成績だ。

 左ひざ故障から実戦復帰2試合目。1カ月ぶりに右翼守備も解禁した。4回無死一、二塁から右飛を無難に処理した。守備機会はこの1度だけ。激しい走塁、守りで状態を確かめることはできなかった。それでも本人は手ごたえをつかんだ様子だ。「前(復帰1戦目)より良い。少しずつですけどね」と笑顔を見せた。

 復帰戦となった6日の交流戦、四国・九州IL高知戦(鳴尾浜)では走塁に不安も残した。それから2日後。平田2軍監督も状態に太鼓判を押す。「守備の方も違和感がない。あれくらいやれれば大丈夫。打ち損じをしないし、復帰2戦目でホームランを打つんだからな」と絶賛した。

 患部の経過が順調なら、9日の同カードも「4番右翼」で先発予定。リハビリは最終段階。ピッチが上がり、1軍復帰も近づいてきた。チームは今季初の4連敗を喫したばかり。連敗中の1試合平均得点は2・25と、打線も調子を落とし気味だ。「5番」を担える大砲の復帰は、最高の刺激剤になる。【佐井陽介】