北京の日本代表を楽にさせろ!

 阪神岡田彰布監督(50)が打撃向上に“旬”の激励だ。新井、矢野、藤川の代表組離脱から1勝4敗と負け込む状況の打開に、野手陣の奮起を期待。ファームから緊急で呼び寄せた林威助外野手(29)をクリーンアップ起用することを決めるなど五輪組の穴をみんなでカバーする姿勢を強調した。12日から、猛追される2位巨人との2連戦。全員野球で乗り切り、北京に朗報を届ける構えだ。

 猛暑の鳴尾浜で全体練習を見届けた阪神岡田監督は、この日北京入りした日本代表を発奮材料に挙げた。「北京組の気が楽になるようにせんとあかんな」。いよいよ五輪の戦いに臨む日本代表に余計な心配をかけさせないよう、チームを立て直す意気込みだ。

 「代表の穴は簡単にカバーはできない。できるのならそいつが開幕からレギュラーで出ている。ただみんなでカバーしないと。代表に行っているものも安心してプレーできないやろ」

 代表の穴。開幕前から予想され、それなりの準備をしてきたが、それでも勝ち星が伸びない状況に陥った。3日横浜戦から1勝4敗。初戦こそ21安打19得点で大勝したが、以後4連敗は平均2・25得点と打線に元気がない。

 「4試合で打点を挙げたのはクリーンアップだけ。どこからでもチャンスを作って得点できるようにしないとな」

 そこで新井に代わる主軸に、2軍戦での復活を経てこの日から1軍合流した林を計算している。「(左ひざ)故障は大丈夫みたいやな。体調さえよければ相手どうこうで変える選手ではない」。林は7月8日に左ひざを痛めて抹消されるまで、金本の後の5番に収まっていた。岡田監督は12日巨人戦からの戦列復帰、それもクリーンアップ起用を示唆し、起爆剤に期待した。

 「打順はともかくやるしかないですから」と林も役割は心得ている。林がクリーンアップにはまれば、疲労性腰痛が癒えた関本は「12日から下位の打線なら入れられる」と岡田監督。北京の新井や矢野が気をもまないですむよう、新打線でVマジックを復活させる。【町田達彦】