阪神は12日から、敵地東京ドームで2位巨人との2連戦を迎える。巨人の初戦先発予定はリーグ最多11勝のグライシンガーだ。この4連敗中、平均2・25得点と得点力不足が目立った打線は鳥谷、金本、林の左3枚クリーンアップを組み、この難敵右腕攻略に臨む。連敗ストップで8日ぶりのマジック「36」再点灯へ、今季初トリオの気持ちも一致した。

 連敗を止める。4日間の休養明け初戦、12日のG倒に強い意欲を見せたのは、3番を任される可能性が高い鳥谷だ。この日、甲子園新室内で全体練習に参加。セ・リーグ選抜の一員として出場した9日の日本代表戦で中日川上から本塁打を放つなど好調を維持している。金本への「つなぎ役」を務めあげてのグライシンガー攻略に気合を入れた。

 鳥谷

 何番か分かりませんが、3番なら後ろに金本さんがいる。向こうは走者を置いて回したくないと思うだろうから、きっちり塁に出られればいいと思う。4日間空いた分もいい4日間にするために、初戦をしっかり取りたい。

 左ひざ痛から復帰即5番右翼でのスタメン出場が濃厚な林は、一撃必殺の打撃に、グライシンガー攻略の活路を見いだす。今季まだ対戦のない右腕にはヤクルト在籍時の昨年17打数2安打7三振、打率1割1分8厘と完全に抑え込まれている。

 林

 いいピッチャー。特にチェンジアップがいい。去年もそんなに打ってないし、絞り球を決めて早めにいかないといけないと思っている。

 鳥谷対グライシンガーは今季5打数無安打。通算22打数3安打6三振、打率1割3分6厘。不動の4番、金本ですら通算25打数4安打6三振、打率1割6分と、得意とはいえない。それでも金本には4月5日の巨人戦(東京ドーム)で値千金の2ランを放ち、土をつけた実績、勝負強さがある。

 金本

 (グライシンガーの)イメージは『頑張ります』だよ。

 赤星、平野の1、2番に加えて、6番に葛城が座れば実に6人左打者が並ぶことになる。1勝すれば連敗も止まり、マジック36が8日ぶりに再点灯する。林の復帰で今季初トリオとなるTKLクリーンアップが8ゲーム差にまで追い上げてきた巨人に引導を渡す。【片山善弘】