<楽天11-7西武>◇13日◇Kスタ宮城

 仙台の夜空に、身長2メートル近い大男の楽天セギノールが両手を振り上げた。満員のKスタ宮城の左翼席ファンに向け、勝利の万歳三唱をした。新助っ人は、この日登録して即6番指名打者で先発出場。押し出しを含む2死球と2安打で1打点。西武のマジック点灯を阻止する2ケタ得点勝利を演出。「昨年日本ハムを去ってから(左ひざの)リハビリなどで思うようにプレーできない日々が半年続いていた。だから、今日は、こんなに思い切りプレーできたことをすごくうれしく思っている」と感激と興奮でまくしたてた。

 野村監督も「セギノール効果あるね」とニンマリだ。「ベンチが明るくなった。今日はいいムードだった。彼は明るいよね。凡退しても陽気に帰ってくる。お通夜みたいなベンチが、パッと明るくなった。無形の力を与えてくれるね」。最下位に沈むチームの起爆剤になる予感に、いつものボヤキ顔は見せなかった。

 試合前の打撃練習で、左右の打席で柵越えする打球を見つめ、野村監督は「やっぱりパワーがある。(相手チームへの)脅しになるな」とご機嫌だった。移籍1号こそなかったが、6番起用がはまって、首位西武に2ケタ得点。

 橋上ヘッドコーチは「いきなり4番で使おうとも思ったけど、走者をためてセギノールの方が、相手は嫌がると思って6番にした。フェルナンデスの目の色も違う」と、外国人同士のライバル意識も活性化すると加入を歓迎した。シーズンは残り42試合。再浮上に、大きなパワーが加わった。【金子航】