<日本ハム0-2オリックス>14日◇札幌ドーム

 ナインのつなぐ思いが、オリックス坂口智隆外野手(24)のバットに乗り移った。延長11回、2死満塁。追い込まれながら武田久の変化球をはじき返す。三遊間を抜けていく決勝の2点適時打に、一塁側ベンチは最高潮に盛り上がった。3位日本ハムに連勝し、1・5ゲーム差に接近。クライマックス・シリーズ圏内がハッキリ見えてきた。

 坂口も全員の気持ちを体で感じていた。「最後の打席だったし、いい場面につないでもらった。投手も粘ってたので何とか食らい付いていこうと思った」。決勝のホームを踏んだ小瀬はこの回の打席でファウルした際に左手首を痛めていた。それでも四球で出塁。ルーキーの執念に呼応するように塩崎が安打、日高が四球で満塁とし、両軍のゼロ行進を打破した。

 大石監督も「坂口が立役者だけど、小瀬も四球を選んだし塩崎も打ってくれた。1人1人がよくやった」と打線の粘りをたたえた。15日の同戦に向け、相手の中継ぎエース・武田久に32球を投げさせた利点もある。投手陣も近藤の7回無失点を筆頭に、計5投手で11回を完封。指揮官は「この勝ちは大きいです」と、投打の歯車がかみ合ったチームに手ごたえを感じていた。【今井貴久】