ソフトバンク王貞治監督(68)が14日、体調不良のためロッテ17回戦(千葉マリン)の指揮を執らず、千葉市内のホテルで緊急休養した。秋山幸二チーフコーチ(46)が監督代行を務めた。王監督は昼食後に腹部の違和感と痛みを訴え、宿舎で主治医による処置を受けた後、東京都内の病院で本格的な治療を受けたもようだ。王監督は06年7月に胃がんによる胃の全摘出手術を受け、昨季は全試合で指揮を執っていた。15日には復帰予定だが、ペナントレースの正念場で不安が出てきた。

 両監督によるメンバー交換まで30分を切った午後5時過ぎ、角田球団代表が「緊急休養」を発表した。「王監督は体調不良により、今日はホテルで静養していただくことになりました。秋山チーフコーチが監督代行を務めます」。メンバー交換には秋山チーフコーチが出向いた。

 王監督はこの日、千葉市内の選手宿舎で、まつたけご飯などが並ぶ昼食を取った。その後のミーティングの途中で、腹部に違和感と痛みを覚え、途中で退席。その後、都内から主治医の北島政樹慶大名誉教授を呼び、点滴などによる処置を受けたという。午後3時15分に宿舎を出発したバスに王監督は乗らず、部屋で静養。その後も球場入りはせず、都内の病院に移動し、より本格的な治療を受けたもようだ。

 王監督は06年7月に胃がんによる胃の全摘出手術を受けたため、シーズン途中から休養し、昨年、現場復帰を果たした。昨季は体調を崩すこともあったが、全試合で指揮を執っていた。

 今季は4月8日の熊本でのオリックス戦後に移動バスの中で体調不良を訴え、福岡で深夜に病院に駆け込むこともあった。「どうしても食べる量が少ないから、体力的にね。移動のときなんかはしんどいときもあるよ」と話したこともある。食物を詰まらせると意図的に食べたものを戻していた。最近は暑さで疲労が蓄積し、練習中に監督室に戻り、体力の温存を図る場面が何度もあった。

 チームは9連戦中で、16日には東京から福岡へ移動後に日本ハム戦(福岡ヤフードーム)を闘い、19日も移動日なしの西武戦(西武ドーム)、と王監督には体力的に厳しい日程が控える。15日の同カードの采配ついて、球団広報は「明日(15日)は指揮を執る予定です」と発表。王監督もこの日の試合中に角田代表に電話連絡を入れ「明日は大丈夫です」と、現場復帰する意思を示したという。