<ロッテ5-2楽天>◇18日◇千葉マリン

 自分の仕事に徹したサブマリンはお立ち台で堂々と胸を張った。ロッテ渡辺俊介が、6月28日の西武戦から続く自身の連勝を6に伸ばして今季11勝目。完封目前だった9回に失点して完投も逃したが「勝てばいいんです」と、ひょうひょうと答えて千葉マリンのスタンドを大爆笑させた。チームの勝利に貢献し続ける右腕にとっては、今季3度目の完封を逃したことは大きな問題ではなかった。

 夏場を乗り越える術は心得ている。連勝中のこの日も、急激に変化する気温のせいか体調は決して良くなかった。「今日は体が重かった。野手の人も『いつもの倍くらい走ってる気がする』って言ってましたから」。序盤の3回までは毎回先頭打者を出す内容。ならばと2、3回は狙って併殺を奪った。「積み重ねです。ちょっと悪くてもそれで自信が揺らぐこともない。体作りも技術面もイメージ通りできている」。重ねてきた経験が巧みな試合運びを実現させた。

 試合前には北京五輪カナダ戦で好投した後輩成瀬の姿を目に焼き付けた。自らもアマ時代にシドニー五輪出場、プロ入り後もWBCで投手陣の軸として活躍したジャパン戦士。今回の北京は予選、本大会とも最終候補に残りながら落選したが、悔しさは胸に秘め「中継ぎ待機もあると思うんで頑張ってほしい。帰ってきたらまたフル回転してもらいますよ」と成瀬にエールを送った。頼れる右腕は7月以降負け知らず。フル回転の夏はまだまだ終わらない。【大塚仁】