ヤクルトの黄金ルーキー佐藤由規投手(18=仙台育英)が、30日の横浜戦(横浜)で1軍先発デビューする。チームは現在7連戦中で、先発ローテーションの谷間となる一戦に、イースタン・リーグでトップタイの8勝を挙げている最速157キロ右腕が指名された。昨年の高校生ドラフト「ビッグ3」と呼ばれたロッテ唐川には先を越されたが、日本ハム中田よりも一足早く1軍舞台に立つ。

 「泣き虫王子」と呼ばれた由規が、たくましくなって横浜戦で初の1軍マウンドに立つ。楽天木谷と並びイースタン・リーグでハーラートップの8勝をマーク。20日の同巨人戦(神宮)では高田監督がネット裏で熱視線を送る中、終盤に152キロを連発するなど8回2安打1失点と好投。同監督も「ああいう投球ができれば上でも十分に通用する」と太鼓判を押していた。

 1軍は連戦が続き、30日が先発の谷間となる。高田監督はこれまで「投手が1枚足りないわけだから。当然由規の名前は挙がるでしょう。失敗しても経験になるし」と話してきた。当初は29日イースタン・リーグ西武戦で先発予定だったが、この日に松井へ変更された。雨天中止などで29日の横浜戦に先発予定の川島亮がスライドする可能性もあるが、ルーキー右腕は29日にも1軍に合流し、翌30日に1軍初登録即先発する可能性が濃厚となった。

 日本ハム中田とともに、キャンプ1軍スタートで話題をさらったが、オープン戦で制球面の課題を露呈した。好不調の波も激しく、首脳陣はファームで反復練習や登板経験を積むことを優先させてきた。2軍でしっかりとローテーションを守って投げる由規に、荒木投手コーチは「勝ち負けで評価される投手ではない。安定した投球ができてきているし、波も少なくなってきていると報告は受けている」と言った。チームはクライマックスシリーズ進出へ向けて正念場を迎えているが、頼もしく成長した姿にGOサインとなった。

 念願のデビューへ、由規は「行けと言われたら、いつでも大丈夫です」と意欲十分だ。2月のキャンプで、練習試合ながら初登板で154キロの圧巻デビュー。3月13日のソフトバンクとのオープン戦では4回6安打6失点し「修業してきます」と、1軍を離れて170日。ケガなど幾多の紆余(うよ)曲折も経験し、初勝利まで涙は封印すると宣言していた「泣き虫王子」が、満を持して1軍デビューを迎える。