<阪神2-3巨人>◇30日◇甲子園

 阪神は巨人守護神クルーンを追い詰め、甲子園球場の満員のファンをただでは帰さなかった。しかし課題は残されたままだ。岡田監督は「もう1歩というより、やっぱりグライシンガーや。打てんかったというのは、いつもそう」と振り返った。8回まで4安打でわずか1点。苦手右腕を打ち崩せなかった打線に注文をつけた。

 「難攻不落」のイメージはさらに強まった。6回に平野、鳥谷の連打で1点を返したが、完全攻略には至らなかった。グライシンガーに好調の金本、林、関本がノーヒット。広沢打撃コーチも「いい投手にいい投球をされたら、こうなる」とお手上げ状態だった。岡田監督も「1試合で1点ぐらいしか取れないわけやから。何とかせな。今年が初めての投手じゃない」。ヤクルト時代の昨年も防御率2・42と抑えられ、歯がゆい思いを隠さなかった。

 マジック25のまま。数字的優位は変わらない。ただ巨人とは10月のクライマックスシリーズで再戦する可能性が高い。苦手意識を持ったまま短期決戦に臨むのは危険だ。赤星は「クライマックスでも絶対にやる相手。反省して切り替えていかないと」。限られた時間で、攻略の糸口を見つけなければならない。【田口真一郎】