<阪神2-3巨人>◇30日◇甲子園

 長かった夏休みもきょうでおしまい。良い子たちは宿題終わったかな?

 夏の名残りというわけでもないけれど阪神の快進撃も少しお休みとなりました。最後はクルーンを焦らしたけれど先発グラインシガーを打てなかったのが響きました。痛くはない敗戦だけどクライマックスシリーズでの巨人との対戦へ向け、阪神は宿題を抱えましたね。

 巨人の守護神クルーンを追い詰め、満員のファンをただでは帰さなかった。しかし善戦だ、と喜んではいられない。クライマックスシリーズに向け「宿題」は残されたままだ。「もう1歩というより、やっぱりグライシンガーや。打てんかったというのは、いつもそう」。岡田監督に最終回の反撃の余韻はなかった。8回まで4安打で1点だけ。立ちはだかる右腕の存在を問題視した。

 この日の対戦で「難攻不落」のイメージはさらに固まった。初回に赤星がバントヒットで出塁。「チームも僕も打てていない。何か仕掛けないと…」。三塁まで進んだが、あと1本が出ない。6回に平野、鳥谷の連打で1点を返したが、完全攻略には至らなかった。グライシンガーに対し、好調の金本、林、関本がノーヒット。広沢打撃コーチも「いい投手にいい投球をされたら、こうなる」とお手上げ状態だった。

 最近2試合で計13回を無失点に抑えられていた。150キロ近い直球を内外角に決められ、チェンジアップで緩急、さらに球も微妙に動くとくれば簡単には打てない。

 「この間もゼロやった。1試合で1点ぐらいしか取れない訳やから。何とかせな。今年が初めての投手じゃない」。岡田監督も歯がゆい思いを隠さない。ヤクルト時代の昨年も、防御率2・42と抑えられた。3得点未満という状況は今も変わらない。

 ペナントレースに関して言えば、この日の敗戦でもマジック「25」のまま。数字的優位は変わらない。ただ巨人とは10月のクライマックスシリーズで再戦する可能性が極めて高い。苦手意識を持ったまま短期決戦に臨むのは危険だ。

 もちろん、選手も分かっている。「(9月19日からの)東京ドームでも、クライマックスでも絶対にやる相手。反省して、切り替えていかないと」。赤星は雪辱を誓った。リーグ戦での対戦機会はあと1試合あるかどうか。限られた時間で、攻略の糸口を見つけなければならない。【田口真一郎】