ロッテのボビー・バレンタイン監督(58)が8月31日、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督に意欲を示していることを明言した。この日の楽天戦(Kスタ宮城)の試合前、「日本代表の監督になることができれば大変光栄なこと」と自ら口を開いた。これまで監督問題について一切語らなかったが、1日、都内で行われる実行委員会で議題として取り上げられるが、くしくも前日に猛アピール。瀬戸山隆三球団社長も「本人が興味を持っているなら全面的に協力したい」と後押しする姿勢を示した。

 バレンタイン監督が突然、胸に秘めていた熱い思いを吐き出した。楽天戦の試合前、自ら報道陣に対して「もしWBC監督について問われた場合、『日本代表の監督になることができれば大変光栄なこと』と答えると思う」と語り、実行委員会を前にアピールともとれる発言を行った。

 伏線はあった。北京五輪決勝トーナメントは公式戦の休日を利用してプライベートで観戦に訪れた。チーム練習を西村ヘッドコーチに一任してまで各国の戦力分析、国際大会の現状を目に焼きつけた。帰国後、「日本代表は有能な選手が本来の力を発揮できなかった」と、ため息交じりに感想を述べた。日本で監督通算6年目。05年には長く低迷していたチームを31年ぶりの日本一へ導き、外国人監督として初優勝を遂げた自負がある。それだけに今回の結果に歯がゆさが募ったようだ。

 WBC監督選考についても触れた。「誰かが気に入っているとか抽象的なものではなく、明確な理由をつけて選べばいいと思う。例えば前年の優勝監督や、前回のWBC以降、最も勝率が高い監督を選ぶのも1つの手だろう」と持論を展開した。「選手をよく理解し、大舞台でも気後れすることなく采配をふるい、楽しむことができる人がいい」と、まるで自らとオーバーラップさせるような人物像を口にした。

 WBC監督については北京五輪を率いた星野監督が候補として挙がっているが、一本化はされていない。バレンタイン監督がメッツ監督時代に駐米大使として親交があった加藤コミッショナーは、「今度は日本人大リーガーも参加しますから、そういう選手を束ねられる人物」と代表監督の資質について言及している。

 大リーグ監督歴15年で日米双方の野球を知り尽くした同監督。球団も全面バックアップを約束した。瀬戸山球団社長は「バレンタイン監督は短期決戦に強く、すぐに選手の特徴をつかんで乗せることができる。個人的には適性があると思っている。本人が興味を持っているならNPBにも推薦します」と断言した。今後の動向が注目される。