<日本ハム2-0ソフトバンク>◇2日◇札幌ドーム

 ソフトバンクがクライマックスシリーズ(CS)に向け、ダメージの大きな1敗を喫した。日本ハム・ダルビッシュにまた負けた。北京五輪後、初登板のダルビッシュに、放った安打は8回でわずか1本。「1安打じゃ勝てんわな。完全に力負け。あれじゃピッチャーは楽だよな」。今季最少の1安打完封負けだけに、王監督も半ばあきれ気味にバスへ乗り込んだ。

 今季、ここまで3戦全敗を喫していたダルビッシュに、打線は積極的に早いカウントから仕掛けた。初回、先頭の本多は初球、149キロのボールから打って出た(結果はファウル)。3回まで打者9人のうち、7人が初球攻撃もしくは第1ストライクから狙い球を打ちに行った。昨季、ダルビッシュに連勝した際にも4月20日は小久保の3ラン、5月10日は3得点、と初回に攻略していた。「立ち上がり」をキーワードに攻め込んだが、調整方法を工夫しているダルビッシュは、その欠点も克服していた。

 これで30日の西武戦の7回から今季最多タイとなる27回連続無得点を記録した。ダルビッシュとは4試合対戦し、133打数15安打、打率1割1分2厘にまで抑え込まれた。「ダルビッシュから、なかなか点は取れないけど、その中でも今の打線の状態が出た」と秋山チーフコーチは打線の低迷ぶりに頭を悩ませる。4回には3番松中が右ひざに死球を受けて途中退場。6回の2死一、二塁の得点機は、松中の代打田上が見逃し三振に倒れた。

 短期決戦のCSで「天敵」は禁物だが、ダルビッシュ攻略の糸口さえ見つからなかった。3位オリックスには勝率1毛差まで追い上げられ、5位ロッテも1・5ゲーム差、とCS出場権をかけた争いは、さらに厳しさを増す。「今日は完敗でした」。これからの苦戦を覚悟するように、王監督は最後にそうつぶやいた。【中村泰三】