<日本ハム3-5楽天>◇4日◇札幌ドーム

 楽天中村真人外野手(26)が1番中堅のスタメン起用に応える決勝打を放った。5打席凡退で迎えた10回1死二、三塁、右翼フェンス直撃の2点適時二塁打を放った。野村監督のシダックス時代からの秘蔵っ子が、7連敗中と苦しむチームを救った。

 非凡な打撃センスが、最後に光った。日本ハムの守護神マイケルにカウント2-0と追い込まれ「抜いたボールが来ると思っていた」ところに、真ん中高めの直球。それでも即座に反応し、完ぺきに打ち返した。「1軍と2軍の打者の違いは甘い球を逃さず打てるかどうか。バットが自然に出ました」と、自画自賛した。この日は内村と共に育成出身の1、2番コンビ。将来のレギュラー候補として、首脳陣からの期待も高い。来季の続投に意欲を見せる野村監督も「中村?

 ミスターシダックス!

 こういう若い選手を育成していかんとな」と、若い芽の成長に目を細めた。

 先の見えなかった連敗のトンネルを、札幌ドームで抜けた。野村監督は「勝利の女神は青函トンネルの先にいた。そりゃ遠いはずだ。勝てない、勝てないと切羽詰まってやっても駄目。楽しんでのびのびやればいい」。昨年より7試合遅い117試合目で、ようやく50勝に到達した。【小松正明】