<広島2-6巨人>◇24日◇広島
巨人が1976年以来、32年ぶりの12連勝(引き分け挟む)だ。24日、広島戦(広島)で6-2と快勝。前日23日に6番手として登板したばかりの先発東野峻投手(22)が9回6安打9奪三振と好投。2勝目をプロ初完投で飾った。前日登板した投手の先発勝利は、82年5月4日の西本聖以来、チーム26年ぶりの快挙。阪神も勝ったため、首位タイを並走したままだが、破竹の勢いで、25日は13連勝を狙う。
最後の1球は決めていた。東野の脳裏には、シーボルに浴びた1発のシーンがあった。9回2死、カウント2-3。最後の敵は同じシーボル。選択したのも、打たれた球と同じだった。逃げたくない。汗が飛び散るほどに腕を振り、空振り三振に仕留めた。「(7回に)打たれたボールで最後を決めたかった」。まだあどけなさが残る22歳の意地が、メジャー経験のある外国人選手のリベンジを完成させ、負けられない試合のフィナーレを飾った。
「先発投手は東野」のコールに、球場がどよめいた。前日23日の試合に続く、2試合連続の登板は、先発のマウンドだった。「昨日ホテルに帰ってから、尾花コーチに言われました。前回投げてからずっと先発がしたいと思っていたので、気持ちは途切れなかった」と、動揺するよりも、緊張するよりも、先発を務めたい思いが上回っていた。「先発の経験がないので、ペース配分なんて考える余裕がない」と振り返ったが、力感満点のマウンドは、途切れることはなかった。
今シーズンの開幕前から、この日をずっと頭に描いてきた。今季はオープン戦まで1軍帯同。だが、開幕2軍スタートが決まり落ち込んでいた。小谷2軍投手コーチと約束をした。「しっかりと走って下半身を鍛えなさい。(ヤクルトの)石井弘寿も五十嵐亮太も上(1軍)で活躍した選手はみんなよく走っていたぞ」。名前を挙げたのは同じ速球派投手。ヤクルトの2軍投手コーチ時代の教え子を例に出し、負けん気の強い東野の心を刺激するアドバイスだった。その日以降、全体練習後に、1人で外野のポール間走を行うのが日課となった。「スタミナもついたし、制球も良くなりました」と、手応えを感じていた。この日の完投は、その鍛錬の日々が実を結んだ瞬間だった。
最終回のマウンドは格別だった。内海に次いで、今季2人目の完投勝利だったが「プロに入って完投したことがなかったんで未知の世界だった。終わってみれば気持ち良かった」と、声を弾ませた。原監督は「変える材料が見つからなかった。将来エースになる人間は人並み外れた技術と体力がある。彼にはエースになってもらいたいから」と、無限の可能性を感じながら褒めたたえた。
チームは76年に13連勝を達成した以来の12連勝を決めた。残り10試合。2試合連続で好投した4年目右腕に懸かる期待は大きくなる。試合間隔が空くことから、先発、中継ぎとスクランブル登板が予想される。「疲れたなんか言ってられない」と言い切る右腕。し烈なV争い、そしてクライマックスシリーズに向け、“新兵器”として名乗りを上げた。【久保賢吾】



