金本よ、厳戒の甲子園でマジックをともしてくれ!

 単独首位の阪神は27日、本拠地・甲子園で巨人との決戦を迎える。4戦連続無安打中の金本知憲外野手(40)は26日、休日を返上し甲子園で黙々とバットを振り続けた。岡田監督は「体調は良いことないが、そら分かっているよ」と全幅の信頼を置き、G倒を託した。今季甲子園で最後のTG戦は勝てば優勝マジック「7」が再点灯し、負ければ再び並ばれる大一番。警備態勢も異例の増員シフトを敷くことが判明し、ピリピリムードは必至だ。

 静まりかえった甲子園に、金本の足音が響いた。バットを片手に、ベンチ裏のロッカールームに向かう。中から鍵をかけ、約1時間こもった。打撃において、最も大切にする素振り。鏡の前で、黙々と基本的な練習を繰り返した。7連戦明けのオフだったが、休養という選択肢は取らなかった。泣いても笑っても、残り10試合。27日には本拠地で巨人との天王山が待っている。バットを置くと、殺気立った表情でロッカールームを出た。記者の質問に、首を横に振る。決戦に向け、早くも集中力は高まっていた。

 前夜に単独首位に返り咲いた。伝統の一戦を制したとき、優勝へのマジック「7」が点灯する。そんな中、金本の不振が不安材料だ。横浜4連戦で1本もヒットが出なかった。前回の巨人戦は東京ドームの空中戦で完敗し、3連敗。リベンジ完遂には、主砲の浮沈が鍵を握る。だが、首脳陣は心配していない。岡田監督は言った。「体調は良いことないけど、(休養日が)1日あるし、そら、(本人も)分かってるよ」。広沢打撃コーチも「やってくれるよ」と同調した。逆境をはねのけてきた底力に、G倒を託した。

 本拠地で巨人を破れば、ゲーム差は「2」に広がる。直接対決が残り1試合になるため、相手に与えるダメージは大きい。指揮官は、甲子園決戦を前に努めて平静を装った。「3つ負けたことなんか覚えてないよ。周りはそうやって言うけど、中では冷静に見てるよ。1つリードしたし、1戦1戦の気持ちでやればいい。やり返そうとか、そんなん考えんでいい」。そう語るものの、敵地3連敗は簡単に忘れられない屈辱だ。冷静な言葉に、その裏が見て取れる。金本と同様、静かに闘志を燃やしている。

 舞台となる甲子園も、厳戒態勢が敷かれる。地元の兵庫県警甲子園署は通常の約1・5倍の人数の警察官で周辺警備にあたることを決めた。警備強化は優勝した05年以来だ。「阪神が負けていれば荒れるファンもいるだろうし、勝てば盛り上がる。土曜日なのでアルコールが入りやすい。臨機応変に対応したい」と同署関係者は話した。球場でも警備員を増員する予定。特に巨人ファンが陣取る左翼スタンドや内野のベンチ周辺に手厚く配置する方針だ。

 伝統の一戦が異様な雰囲気に包まれることは確実だ。厳戒の甲子園で7度目のマジック点灯―。それが最高のシナリオだ。