祝マジック8!

 快進撃オーダーで残り9試合を全勝だ!

 阪神新井貴浩内野手(31)が29日広島戦(甲子園)に「3番一塁」でスタメン出場する。27日巨人戦(甲子園)で腰の疲労骨折から電撃復帰。いきなり適時打を放った。28日の全体練習は免除されたが、チームのカンフル剤として首脳陣の期待は大きい。これで3番新井-4番金本-5番今岡という開幕時のAKI砲クリーンアップが復活。この日、巨人が負け、単独首位となった阪神に優勝マジック8が点灯した。開幕オーダーマッチレースに決着をつけるときがやってきた。

 衝撃の1軍復帰から、新井が間髪入れずにスタメン復帰を果たす。29日の広島戦に「3番一塁」でスタメン出場する。7月27日中日戦以来、実に64日ぶり。開幕からチームを勝利に導いてきたポジションで、完全復活のときがやってくる。腰の疲労骨折が治ったばかりだが、首脳陣はその存在感に期待する。吉竹チーフ野手兼打撃コーチは「もう普通の選手としてね」と特別な配慮はしないことを明言。「ベンチに置いておく選手ではないか?」と声に「当然」。復帰2戦目でレギュラー選手と同じ扱いにする考えを明かした。

 残りはたった9試合。2週間足らずの間に、ペナントレースのすべてが凝縮される。そんな最終局面での、新井の復活はとてつもなく大きい。3・28横浜戦。岡田阪神の初陣は新井-金本-今岡のクリーンアップでスタートした。今岡は不振で長期離脱していたが、この並びが理想型だった。特にAK砲は相乗効果でチームをグイグイと引っ張った。いわば快進撃オーダー。これまで孤軍奮闘してきた金本の負担も和らぐ。前夜の復活劇を見た広沢打撃コーチは「あれで打つんだから。やはり何か持っているよな。まだバットは振れていないけど、感心した」と新井の持つ力に驚いた。快進撃の再現を期待するのも自然の流れだ。

 この日、チームは甲子園で全体練習を行ったが、新井は休養にあてた。急ピッチのリハビリで疲労の蓄積が心配されるが、周囲ではむしろ前向きな声のほうが多い。権田トレーナーは「試合後の状態は、全く問題なかった。これからもしっかりと体幹部分を継続して強化していきたい」と話した。復帰戦の一塁守備をチェックした和田守備走塁コーチも「あの守りを見ていたら、行けそうだね」と復調に太鼓判を押す。

 新井不在の2カ月は貧打にとことん泣かされた。その悩み解消はやはり主砲の復帰なくして考えられない。この日、巨人が中日に競り負け、マジック8が点った。逃げ切り優勝への態勢は整った。最終的には29日の様子を見てから決定されるが阪神が「3番新井」で9個の白星を取りに行く。【田口真一郎】