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自己最多16勝!ダルのクライマックス続く

<日本ハム2-1ロッテ>◇29日◇札幌ドーム

 日本ハムがダルビッシュ有投手(22)の好投で、クライマックスシリーズ(CS)の夢をつないだ。負ければ限りなくAクラス奪取が厳しくなるロッテとの大一番で、ダルビッシュが5安打1失点に抑え、9回完投。4試合連続2ケタ奪三振となる12Kで自己最多の16勝目を挙げ、チームを再び3位に浮上させた。今季残すは10月1日楽天戦の1試合。エースをブルペンに待機させ、CS進出へ万全を期す。

 思わずほえた。クールなダルビッシュが鬼気迫る顔で叫んだ。「しゃ~」。腰を落とし、地面に向かって勝者の雄たけびだった。お立ち台では「試合前から勝てるもんだと思って調整した」と、自信たっぷりに言い放った。今季本拠最終戦に集まった超満員の観衆を頼もしい言葉で魅了した。

 負ければ3位争いから脱落する、がけっぷちの戦いで踏ん張った。7回に天敵橋本に同点打を浴びたが、今季10度目の完投。「プレッシャーのかかった試合で勝つのが僕の仕事」。創意工夫の自己最多16勝目だった。

 シーン(1) 4回1死、早川の初球に無走者の場面にもかかわらずクイック投球を試みた。伏線はあった。4回の投球前に、バレンタイン監督からグラウンドで球審に二段モーションを指摘された。「その前の回からバレンタイン監督がベンチでうるさかったので、1回投げてみた」。相手ベンチをけん制するクイックだったが、結果的にセーフティーバントが簡単な投ゴロと、打者をも幻惑した。

 シーン(2) 同点にされた7回、なお2死二、三塁で打者大松の裏をかいた。148キロストライク、149キロ空振り、150キロファウルの直球勝負で2-0から、選択はストライクゾーンへ123キロの速いカーブだった。「僕の性格なら最後も真っすぐと思っていたはずだし、まったく合っていなかったですね」とニヤリ。大胆不敵の真ん中寄りだったが、計算通りの見逃し三振でしのいだ。

 シーン(3) 9回2死、里崎との対決で“ダミー雄たけび”を使った。2ストライクと追い込んだ3球目の直前、珍しく気合を声に出してから投球のセットに入った。「最後は直球が多いと分かっているだろうし、打者に気合を入れたように見せてスライダーだった」。外角に逃げていく球で3球三振。最後の正真正銘の叫びにつなげた。

 5回に折れたバットが右太ももに直撃したが「痛い顔をするのはだれでもできる」と奮闘。防御率も楽天岩隈を抜き、1・90でトップに立った。梨田監督は「延長に入っても、音を上げるまでいくつもりだった。セレモニーを含めて3時間で終わった」と、小気味よい投球をたたえた。

 2位浮上は消滅したが、CS進出に負けられない最終戦の10月1日楽天戦(仙台)は、予定通りブルペン待機の方針だ。梨田監督は起用には慎重だったが、絶対エースは「中継ぎで投げたいと思います」とお立ち台で宣言。「勢いが付いたと思うし、いけると思っている」。日本ハムには頼もしい切り札がいる。【村上秀明】 

 [2008年9月30日10時15分 紙面から]


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