<巨人4-8横浜>◇9日◇東京ドーム
本塁打争いするアレックス・ラミレス外野手(34)は44号ソロを放ったが、4打席で勝負を避けられた。
悔しさに耐えながら打席に立った。7回、この日3度目の敬遠に、ラミレスはバットを極端に短く、花束を持つように抱きながらボールを見送った。4回の第2打席以外、4度の打席はいずれも歩かされた。「敬遠についてはノーコメント。村田との本塁打争い?
それもノーコメント。明日に向けて集中するだけ。チームの勝利に貢献したい」と、珍しく2度もノーコメントを繰り返した。
たった1度、勝負してくれた打席で、横浜ベンチの度肝を抜いた。フルカウントからの7球目。「会心の当たりだった。ひょっとしたら来るかなと思った」と、真ん中に入ったスライダーを左翼席奥の看板に当てた。推定飛距離140メートルの1発は、チームの反撃ムードを高めたが、残りの3打席を歩かされることにもつながった。
勝負しているものが違うように見えた。優勝のために勝利が欲しい巨人と、タイトル争いのため、個人成績を守る横浜。巨人が村田に対して勝負にいっているのに、ラミレスが敬遠されるのもチーム事情が絡むとはいえ、奇異に映った。原監督は、ラミレスが勝負を避けられたことにはノーコメントとしながら、村田と勝負したことについては「オレたちは勝負。勝ち負けを競ってるんだから」と、当然のように話した。
かつてラミレスはこう話していた。「開幕前に立てた目標はあらかたクリアできた。周りが騒ぐほど、タイトルへの執着もない。今、クリアできていない目標は優勝だけだ。残りのシーズンはそのためだけに頑張る」。
その気持ちがあったからこそ、4つの敬遠は悔しかった。何より、勝負にも負けたことが、口を閉ざすことにもつながった。真剣勝負を楽しみにしていた野球ファンの横浜ベンチへのブーイングも、わずかばかり留飲を下げるだけだった。【竹内智信】



