ソフトバンクが30日に開催されるドラフト会議の上位指名候補選手として、報徳学園・近田怜王投手(3年)をリストアップしていることが14日、明らかになった。近田は最速147キロを誇る本格派左腕で、今夏の甲子園ではベスト8入りした。近田は9月18日にプロ志望届を提出している。1巡目候補には近大・巽真悟投手(4年)を挙げているが、高校生では近田のほか、東海大三の151キロ右腕、甲斐拓哉投手(3年)を上位にランク。近日中に予定されているスカウト会議で最終的な絞り込みを行う予定だ。

 ソフトバンクが「高校NO・1」の呼び声が高い、報徳学園・近田を上位指名候補にリストアップした。球団関係者は「スカウトの評価も高く、素材は非常にいい。将来的には150キロを超す直球を投げられる」と将来性に太鼓判を押した。最速147キロをマークする本格派投手で、主力として活躍した1年秋から日米スカウトの注目を集める存在だった。

 昨夏の甲子園1回戦では熱中症が原因とみられる両足けいれんで倒れ、昨秋には原因不明の投球困難な状況に陥った。近畿大会終了後から約2カ月、投球練習を行わない肩、ひじの休養に専念。速球が140キロを超える完全復活を果たし、今夏の2年連続甲子園出場、8強入りの原動力となった。一連の経緯で、評価を下げる球団もあったが、高校入学時から徹底マークを続けるソフトバンクは不変だった。

 高校生では左の近田とともに、東海大三・甲斐を上位指名選手に位置付けている。今夏は長野大会準決勝で敗退し、甲子園の出場経験はないが、183センチの長身から投げ降ろす直球とスライダーが最大の武器という速球派。7月9日の長野大会初戦には、日米12球団23人のスカウトが駆け付けたほど。すでに9月25日にプロ志望届を提出しており、他球団も1巡目候補に挙げる逸材だ。

 昨年、6球団競合の末に大場を獲得したように、今ドラフトでも「目玉主義」で臨む方針で、1巡目候補には近大・巽(たつみ)真悟投手(4年)をリストアップしている。今後は秋山新監督の意向も踏まえ、近日中に行われるスカウト会議で候補リストを絞り込み、指名戦略を決定する予定。他球団の動向も踏まえ、最終的にはドラフト前日の会議で決定する。

 ◆近田怜王(ちかだ・れお)1990年(平成2年)4月30日生まれ、兵庫県三田市出身。つつじケ丘小2年時に「藍少年野球クラブ」で投手として野球を始める。報徳学園中では「三田シニア」に所属し、全国大会4強や日本代表で世界選手権に出場した実績を持つ。高校では1年春からベンチ入り。好きな選手は横浜工藤。176センチ、84キロ。左投げ左打ち。

 ◆甲斐拓哉(かい・たくや)1990年(平成2年)12月18日、長野県松本市生まれ。岡田小3年時から「城東フェニックス」で捕手として野球を始める。女鳥羽中から投手に転向し3年時に「松本南シニア」で全国優勝。好きな選手はレイズ岩村。球種はカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークボール、ツーシーム。183センチ、83キロ。右投げ右打ち。