<日本シリーズ:西武3-7巨人>◇第5戦◇6日◇西武ドーム

 渡辺西武が絶体絶命のピンチに立たされた。王手をかけられた敗戦の痛さに加え、センターライン2人の故障が重くのしかかった。細川亨捕手(28)が右肩脱臼で2回裏の攻撃後に交代。打の主軸、中島裕之内野手(26)は左脇腹(肋間=ろっかん=筋)を痛めて4回の第3打席を終えて途中交代した。

 試合後の渡辺監督の表情もさえなかった。「ウチの主力選手だし、何とかあさって(第6戦)出られるといいのだが…」。後のない一戦で主力の出場が危ぶまれる窮地に言葉を失った。

 特に懸念されるのは中島だ。4回の第3打席で空振り三振した際に痛みを覚えた。「筋を違えた感覚。外角シュートにいつもと違うスイングをしてしまった」と言った。渡辺監督は「(内野手の)バックアップを呼ぶ必要もある」とも話し、中島抜きで臨む最悪のケースも想定した。

 一方、細川については佐々木チーフトレーナーが試合後の治療で楽観的な見解を示した。2回の第1打席で一塁線へのプッシュバントを試みた際、ベースに頭から滑り込み右肩を脱臼した。以前から脱臼癖があり、直後に肩を入れなおしてアイシングで治療。同トレーナーは「肩の可動域に問題はなかった」とし、細川本人も「第6戦は当然行く。(交代は)監督に気を使っていただいた」と気丈に言った。中島も「明日治療してあさっては行きます」と前向きな発言を強調したが、1日の休養日が鍵を握りそうだ。