阪神藤川球児投手(28)が来季も「トラの守護神」として甲子園のマウンドに立つことを誓った。22日、ワールド記念ホール(神戸市中央区)で行われた阪神タイガース「ファンの集い2008」に参加。集まった約4000人のファンを前に、来季こそ、真弓新監督の下での「打倒巨人」&「V奪回」を約束した。昨オフの契約交渉では、ポスティング制度を利用してのメジャー移籍願望を球団に伝えたが、来季の挑戦はひとまず封印。真弓新体制を全力でバックアップする覚悟を決めた。

 覚悟を決めたかのような口調に、ファンもかたずをのんで聞き入った。感謝の集いで行われたトークショー。来季への思いを聞かれた藤川が、熱い思いを素直に表現した。

 藤川

 タイガースで10年やりましたが、阪神がジャイアンツに負けるということは絶対に許されないことだと思いました。ここ何年かは(対戦成績で)中日に負けることが多かったが…。(今年は)久しぶりに巨人に負けた。来年は巨人に勝って優勝して、原監督にグータッチをさせないようにしたい。

 4000人のファンを前にした“残留宣言”。「打倒巨人」を強調した約1分間のスピーチを終えると、開場からは大きな拍手が藤川に送られた。ファンもその意図を十分に理解している様子だった。

 昨オフの契約交渉。藤川はポスティング制度を利用してのメジャー移籍願望を、初めて球団に伝えた。ただ、ポスティング制度は選手の権利ではないため、簡単には容認されず。節目となるプロ10年目の今季も阪神の不動の抑えとして君臨し、38セーブを挙げる活躍をみせた。

 その一方で、自身の成績とは逆行するように、チームは巨人に13ゲーム差を逆転されてのV逸…。

 藤川

 シーズンが終わって本当に苦しかった。こんな思いをしたのは初めて。(シーズン後も)家からほとんど出ずに、人目を避けていた。今日も(会場に)来るのが怖かった。ファンの方と同じように、僕らも成功を求めて精いっぱいやったけど、かなわなかった。

 この悔しさが、藤川のメジャー挑戦という気持ちに微妙な変化をもたらしたようだ。ひとまず夢を封印し、タテジマで戦う来季へ、視線は既に向けられている。チームは真弓新監督を迎え、すでにスタートを切っているが、藤川もこれまで通り、絶対的守護神として真弓新体制をバックアップする覚悟でいる。

 藤川

 今日はこの場で間違った発言はできないと思って来た。(チームは)真弓監督になって新しくなった。来年も頑張りますので、よろしくお願いします。

 舞台裏に引き揚げる球児の表情には、笑みが戻っていた。来季も阪神藤川の火の玉ストレートを生で見られることが確定した。メジャー挑戦への思いを完全に捨て去ったわけではないため、来年以降のポスティング移籍は継続要求される可能性を残すが、阪神ファンにとっては何ともうれしい“報告”となった。覇権奪回を目指す真弓阪神には、頼れる熱い男、球児がいる。【石田泰隆】