「オーケストラ野球」でALL-IN!

 広島と広島交響楽団のコラボレーションコンサート「THE

 CARP

 SYMPHONY」が24日、広島市内で催された。マーティー・ブラウン監督(45)らが参加。指揮官は一体となってメロディーを奏でるオーケストラに共感し「カープと同じくチームワークが良かった。来年もこのチームワークでやりたい」と話した。新球場元年を迎える来季も一致団結して、上位進出を目指す。

 重量感あふれる美しいメロディーこそ、カープの目指すべき姿だ。奏者が音色を重ねて、応援歌「それ行けカープ」を奏でる。後方のビジョンには過去の優勝シーンが映される…。旋律に酔いしれたブラウン監督も壇上で笑顔を浮かべた。

 ブラウン監督

 広島交響楽団のオーケストラは、カープと同じくチームワークが良かったです。来年も、このチームワークでできればいい。感動しました。

 集団を束ねるという意味では、プロ野球の監督とオーケストラの指揮者は共通する。1つの目標に向かって突き進む姿に、ブラウン監督も共鳴していた。ダイナミックな野球のプレー自体とクラシック音楽は疎遠な印象があるが、実はメジャーリーガーもエネルギー源に変えている。

 ヤンキース松井秀喜は昨季、ヤンキースタジアムで打席に入る際のテーマ曲に自身の応援歌「栄光(ひかり)の道」を採用。「オーケストラ・アンサンブル金沢」の生演奏を聞き、感激したのがキッカケだった。この日、参加した選手もオーケストラの迫力に魅入られた。赤松や天谷は言う。

 赤松

 僕は(クラシックを)聞いていましたよ。癒やし系ですよね。プロ入ったときに寝る前に聞いてました。音楽をかけていないと寝られない。柔らかいイメージですぐに寝られた。

 天谷

 これまでクラシックを聞いたことがありませんでした。これを機に聞きたいと思う。球場でのテーマ曲?

 探しておきます。

 今季は惜しくもクライマックスシリーズ進出を逃したが、戦力が整いつつあるのも確かだ。23日にはブラウン監督が「巨人のような強いチームとやれば、カープの劣勢が予想されるだろう。だから、勝つ喜びが大きい」と話す。連覇を果たした強敵・原巨人にもひるまない。一丸態勢を築き、必ずやVの凱歌(がいか)をあげる。【酒井俊作】